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No.08「見えない光で観る(3)」

No.08 土壌オンサイト分析 他

見えない光で観る(3)~プラスチックを観る~

今回は前回より長い波長である900-1700nmの近赤外光を使ってプラスチック を観るとどうなるかをお話しします。

可視光で見るプラスチック

図1は、白い色の材料の上に置かれた4種類の透明なプラスチックの破片を通常のデジタルカメラで撮影した画像です。透明なプラスチックなので、人間の目と同じようにこの画像からは、プラスチックの種類を判別することはできません。

図1 デジタルカメラ画像
図1 デジタルカメラ画像

プラスチックの分光反射率

900-1700nmの近赤外光に感度のあるイメージング分光器を用いて、このプラスチックの近赤外におけるスペクトルを測定してみます。図3が測定結果で、図1の①、②、③、④の各プラスチックに対応してその分光反射率を表示しています。この4つのプラスチックはそれぞれ少しずつ異なるスペクトルを持っていることが分かります。

近赤外光で観るプラスチック

図3に示すように、4つのプラスチックでスペクトルに差が大きいと思われる波長を3つ選んで、その波長の強度に対応して、カラー表示に使うRGBを与えてカラー表示してみます。即ち、この例ではR、G、Bに1640、1375、1205nmのスペクトル強度を与えます。イメージング分光器による測定では図1の各ピクセルに対して分光反射率の情報が得られるので、カラー画像化が可能になります。結果を図2に示します。
4つのプラスチックに色がついて見えます。実は、プラスチック①はポリスチレン、②はポリエチレン、③はポリエチレンテレフタレート、④は塩化ビニールです。人間の眼が近赤外光を観ることが出来たとすれば、このように色が付いて見えたかも知れません。
このような技術は、ごみ処理の廃プラスチックの弁別などに利用されています。

図2 近赤外光で観た画像
図2 近赤外光で観た画像
図3 プラスチックの分光反射率
図3 プラスチックの分光反射率

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