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No.23「数値解析による電気部品の品質評価」

JFE-TEC News No.23号 膜厚の面分布を高解像度で迅速に測定できる『FiDiCa』 他 記事一覧

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No.23(2010年04月)
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No.23 膜厚の面分布を高解像度で迅速に測定できる『FiDiCa』 他

数値解析による電気部品の品質評価~圧着コネクタの応力解析事例~

圧着コネクタとは

電線(より線)とコネクタ端子に物理的圧力をかけて結合(圧着)させた圧着コネクタは、配線を接続する部品として自動車、電気設備など幅広い分野で使用されています。
圧着コネクタは、何本もの電線がコネクタで圧着されているため、圧着時の圧力が弱いと電線の抜け、逆に強すぎると断線やコネクタの損傷につながるため、電線の本数、コネクタの材質や形状を考慮し、適切な圧力を与えて結合する必要があります。

応力解析事例

圧着時の電線とコネクタが適切に結合されているか確認するために実施した数値解析の事例を紹介します。

(1)解析の方法

この事例は一般的な力の釣合いから求める方法の静的解析では困難であり、さらに電線とコネクタ間に多数の接触面が存在する問題(数値解析では材料間に接触が発生すると複雑になり、熟練した解析技術を要します)が含まれるため、接触を考慮した動的構造解析を有限要素法解析ソフトABAQUSにて行っています。

(2)解析の結果および適用

図1は圧着前の電線とコネクタの解析モデルです。この状態からコネクタに圧力を加え、図2に電線とコネクタの圧着時の状態、および応力分布を示しています。また、図3には解析結果より求めた圧着後のコネクタに対する電線の引抜き強さを示しています。これらの解析結果は、負荷された圧力の妥当性の判定を可能にし、また、コネクタの内側にセレーション(鋸歯状の溝)やディンプルを設けたコネクタ設計の最適化や生産品質の向上に役立ち、経費削減効果が期待できます。
当社では、素材を熟知し、高度な解析技術を有したスタッフが、お客様の要望を迅速に具体化し、的確な数値解析、コンサルティングにより課題解決までのお手伝いをいたします。

図1 圧着前の電線とコネクタのモデル化
図1 圧着前の電線とコネクタのモデル化
図2 圧着時の形状およびミーゼス(相当)応力分布(単位:MPa)
図2 圧着時の形状およびミーゼス(相当)応力分布
(単位:MPa)
図3 解析結果より求めた圧着後のコネクタに対する電線の引抜き強さ
図3 解析結果より求めた圧着後のコネクタに対する電線の引抜き強さ

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