No.25「低真空SEM−EBSPによるセラミック材料の結晶方位解析」

No.25
低真空SEM−EBSPによるセラミック材料の結晶方位解析

低真空走査電子顕微鏡の特徴

走査電子顕微鏡(SEM)で絶縁物を観察するときは、帯電を防ぐために、試料表面に金属蒸着処理をして導電性を確保します。しかし、この処理によって試料表面は蒸着物に覆われ、本来の表面状態を正確に観察できない場合があります。その解決策として、低加速電圧観察や低真空観察があります。後述のEBSP(Electron Back-scattering Diffraction Pattern:後方散乱電子回折像)測定やEDX分析と組合せるには、後者の低真空かつ高加速電圧下で観察する方法が有効です。低真空観察は、分析室内に導入したガスが電子照射によりイオン化され、それが試料表面の帯電を中和して、観察を可能にする方法です。

低真空SEM − EBSP によるセラミックスの結晶方位測定

EBSPとは、後方散乱電子が試料表面で回折して形成される電子線回折現象を利用した結晶構造解析法です。SEMとの組合せにより微小領域の結晶方位や方位差の分布、粒径分布、相分布などを知ることが出来ます。従来、導電処理が必要なセラミックスについては測定できず、導電性を有する金属・半導体などに限られていました。
 図は、低真空でかつ無蒸着の条件で、積層セラミックスコンデンサー断面を解析した結果です。反射電子像のコントラストから、明るいBaTiO3誘電体層と暗いNi層とが交互に積層していることがわかります。反射電子像写真の赤枠内のEBSP測定により、個々のBaTiO3結晶の方位には、特定方向への配向はとくに認められません。
 当社では、最新の低真空SEMと組合せて、無蒸着で高空間分解能のEBSP測定を可能しています。BaTiO3に代表されるファインセラミックスは、誘電性、磁性、電気・熱・光学的な特性など、様々な機能を発現するものがあり次世代の材料として有望です。当社では、これらの結晶方位評価にお役に立てます。

図 積層セラミックスコンデンサー断面の結晶方位分布
図 積層セラミックスコンデンサー断面の結晶方位分布

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部