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No.31「極微量分析(4)」

No.31 電池材料の物理解析技術(1) 他

極微量分析(4)~有機材料・薬液の微量分析~

はじめに

これまで本シリーズの中で、ICP質量分析法による金属や医療用材料、食品の極微量分析についてご紹介しました。本号では、有機材料や薬液の極微量分析についてご紹介します。

有機材料や薬液は、半導体やファインケミカルなど様々な分野で利用されています。これらの材料に含まれる不純物は、製品性能低下などを引き起こすため、含有量については、極微量レベルの測定が要求されます。従来、酸などの溶媒に可溶な試料は、溶解させた後希釈して測定していましたが、マトリックスの影響を除去するためには1000倍程度の希釈が必要であり、感度低下が問題となっていました。また溶媒に不溶な試料は、テフロン製の分解容器を用いて、マイクロウェーブ(写真1)で加圧分解していましたが、テフロン容器からKやCaなどが多量に溶出するため、極微量分析が困難でした。

有機材料・薬品の極微量分析

当社ではこれらの問題を解決するために、溶媒に可溶な試料には、低倍率で希釈測定が可能なタイムインジェクション試料導入法を実用化し、高感度分析を実現しました。また溶媒に不溶な試料には、テフロン製の分解容器中に微量分析用容器(インサート、写真2)を入れ、マイクロウェーブにより加圧分解する方法を確立しました。この処理方法を用いたICP質量分析法の検出下限を確認した結果、従来法に比べて2~15倍、下げられることが分かりました(表1)。

写真1 四重極型ICP-MS装置
表1 インサート容器を用いた分析法の検出下限
( 3σ、ppm)
元素 確立した分析法 従来分析法
Na 0.1 0.2
Mg 0.1 0.2
Al 0.1 0.4
K 0.1 0.9
Ca 0.4 6

おわりに

上記の様な極微量分析法を用いて、界面活性剤や樹脂や有機薬品など様々な有機材料の成分分析が可能です。お客様のご要望に応じて迅速に対応いたしますので、ご興味のある方は是非ご相談下さい。

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