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No.32「LA-ICP-MSによる元素マッピング分析技術」

JFE-TEC News No.32号 収差補正走査透過電子顕微鏡による高分解能組織観察 他 記事一覧

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No.32(2012年07月)
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No.32 収差補正走査透過電子顕微鏡による高分解能組織観察 他

LA-ICP-MSによる元素マッピング分析技術

はじめに

レーザーアブレーション-誘導結合プラズマ質量分析法(以下LA-ICP-MS)は、固体試料をそのまま分析できる高感度な方法です。特に、サンプリングや酸分解といった前処理が困難な局所を分析する場合や、微小試料などの分析において有効な手法です。これまで、電子部品の半田に含まれる元素の定量分析やプリント基板端子のめっき部の深さ方向の定性分析などで、多くの実績があります。

元素マッピング分析

従来のLA-ICP-MSを使った元素の定性分析は、単純な質量スペクトル測定、深さ方向の元素分布測定、線方向の元素分布測定といった一次元の分析でした。それに対し「二次元(面)の元素分布状態を知りたい」というお客様からの強い要望があり、新たにマッピング分析手法を開発いたしました()。

元素マッピング分析には、照射レーザーの走査方法により、①グリッドオブスポット、②ラスタースキャンの2種類があります。前者は位置分解能に優れ、後者はマッピング領域を広域にすることが可能であるという特長を有しています。レーザー照射径と位置分解能、感度、マッピング面積は密接に関係しており、お客様の調査目的に応じてご提案させていただきます。

LA-ICP-MSを用いる元素マッピング分析には、「高感度であり定量性に優れる」という特徴があります。金属(鉄鋼)試料のマッピング分析例を図に示します。マッピング像では、マンガン(Mn)含有量1%の濃度差が明確に確認することができ、標準物質との比較により定量も可能です。また、リチウム(Li)やほう素(B)といった軽元素に対する感度が高いことも大きな特徴です。

本分析法は、材料の電導性・非電導性に係わらず固体試料全般に適用可能ですので、元素分布状態の「見える化」手法の一つとして、是非ご検討下さい。

図 金属試料のマッピング分析例
図 金属試料のマッピング分析例

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