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No.32「波動を応用した非破壊検査技術」

JFE-TEC News No.32号 収差補正走査透過電子顕微鏡による高分解能組織観察 他 記事一覧

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No.32(2012年07月)
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No.32 収差補正走査透過電子顕微鏡による高分解能組織観察 他

波動を応用した非破壊検査技術~高周波探傷用微小内部きず試験片~

はじめに

超音波を用いた材料内部の非破壊検査、特に探傷試験においては、所定形状の人工きず(主に円形平面きず)を導入した基準試験片を使って事前測定を行いエコーのレベルを把握し、それを基準にして測定感度を設定する方法がとられています。しかし、円形平面きずとして用いられる平底穴(底が円形で平坦な穴)加工試験片の穴 径は通常φ100μmが限界であり、周波数25MHz以上の超音波集束ビームを用いた高感度測定で必要とされるφ50μm以下の微小円形平面きずの導入は困難でした。

拡散接合を用いた微小内部きず試験片の製作

金属材( ベース材)表面にφ20~100μmのドリル穴を開け、この面に別の金属材(蓋材)を密着させて、拡散接合させることにより微小内部きずを有する高周波探傷用基準試験片を(株)昭和製作所殿と共同開発しました。φ20~ 50μmでは、ドリル穴を平底穴として加工するのは困難ですが、ドリル穴の開口部分に別の板で蓋をして、その蓋材とベース材とを拡散接合すると、蓋の直下にφ20 ~ 50μmの微小円形平面きずを形成させることができます(図1)。蓋材の厚さを変えることにより、きずの深さ位置も任意に指定可能です。図1にはφ50μmの微小円形平面きずの超音波による探査映像を示します。良好な円形平面きずの像が得られています。

おわりに

当試験片は、上述した感度設定用途のほか、非破壊試験装置や超音波プローブの性能評価、および研究開発用の模擬検出ターゲットとしてご使用頂くことができます。また、きずは外部環境から遮断されていますので、変形したり、腐食して形状が劣化すること はありません。なお、当試験片は当社が販売しております。

図1 標準的な試験片の形状
図1 標準的な試験片の形状

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