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No.40「微細構造を明らかにする物理解析(13)」

JFE-TEC News No.40号 樹脂・複合材料評価センター(2) 他 記事一覧

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No.40(2014年07月)
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No.40 樹脂・複合材料評価センター(2) 他

微細構造を明らかにする物理解析(13)~広領域測定によるEBSD解析~
Latest EBSD Analysis: Wide Area Imaging Using Long Depth of Focus Mode

はじめに

EBSD(後方散乱電子線回折パターン)法とは、試料表面で生じる電子線後方散乱回折を利用した結晶方位解析法です。結晶性材料の結晶方位やその集合組織は、材料の特性を制御するうえで重要な情報であることから、EBSDは必要不可欠なツールとして様々な材料評価に使用されています。ここでは、EBSDの最新技術として、広領域測定技術を紹介します。

広領域EBSD測定

近年、エネルギーの多様化から開発が進んでいる太陽電池用ポリシリコンや、省エネルギーモーター向け電磁鋼板などは、0.1mm以上の大きな結晶粒を有し、mmオーダーの広領域の結晶方位解析が必要となっています。

当社では、深い焦点深度が得られる光学系(以下LDFモード)を搭載したFE-SEM装置を導入し、広領域のEBSD測定を可能としました。EBSD測定はサンプルを70°傾斜させて測定を行うため、通常モードでは焦点深度と像歪みの問題から広領域の測定ができませんでした。新たなLDFモードは、電子ビームの開き角を小さくしプローブの焦点距離を大幅に長くすることにより、これらの問題を解決し、最大5mm×10mmの広い領域を精度良く分析できるようになりました。

図1 鋼材/溶接部界面の結晶方位分布図
図1 鋼材/溶接部界面の結晶方位分布図
測定領域:(a) 3.1mm×6.3mm、(b)80μm×160μm

図1は溶接金属部の結晶方位分布図です。溶接金属部では1mm弱の粗大な凝固組織が観察でき、この位置を拡大すると、内部の微細な二次組織の様子も観察できます(図1(b))。また、熱影響部では母材よりも結晶粒が大きくなっている様子がわかります。このように粗大な組織と微細な組織を同時に観察することも可能です。

おわりに

当社では、LDFモードと通常モードとを使い分けることにより、mmオーダーの広領域からμmオーダーの微小領域まで、幅広い結晶方位解析にお応えできるようになりました。お気軽にお問い合わせください。

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