No.42「微細構造を明らかにする物理解析(15)」
~収差補正型走査透過電子顕微鏡によるガソリン自動車の排気ガス触媒粒子の観察~

No.42
微細構造を明らかにする物理解析(15) ~収差補正型走査透過電子顕微鏡によるガソリン自動車の排気ガス触媒粒子の観察~
Atomic Scale Observation of Particulate Exhaust Gas Catalysts of Gasoline-Powered Vehicles by Cs-corrected STEM

自動車排ガス触媒について

近年、自動車排出ガス規制が厳しくなっているため、排ガス浄化触媒の開発が急務となっています。ガソリン自動車の排気ガスには有害成分(CO、HC、NOx)が含まれるため、これらを除去する目的で白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属ナノ触媒が使われています。

触媒の劣化原因となる粒子の肥大化や表面の化学状態変化の把握には、表面分析手法や電子顕微鏡による直接観察が有効なツールとなります。とくに、収差補正型走査透過電子顕微鏡(Cs補正STEM)とエネルギー分散型X線分光法(EDX)を用いると、nmスケールの直接観察・分析が可能です。

ガソリン車排ガス触媒のSTEM観察例

図1図2に、排ガス触媒(Rh/CeO2/Y2O3-ZrO2)のSTEM像およびEDXスペクトルを示します。低倍率観察で確認できるのは、担体のZrO2のみです(図1左)。

ガソリン車排ガス触媒のBF-STEM像(左)、HAADF-STEM像(右
ガソリン車排ガス触媒のBF-STEM像(左)、HAADF-STEM像(右

数100万倍まで倍率を上げると、CeO2(point1)の表面に約1 ~ 2 nmのRh粒子(point2)の存在が確認できます(図1右、図2)。また、黄色枠で示すように原子配列がみられることから、Rhが結晶性であることもわかります。

ICP 発光分光分析装置
図2 各点におけるEDXスペクトル
●試料:ガソリン車排ガス触媒(Rh/CeO2 /Y2O3-ZrO2
試料ご提供:名古屋工業大学 羽田政明准教授

この他に、EDXマッピングにより元素偏析や濃度分布を可視化する分析メニューもご提案できます。是非、お気軽にご相談下さい。

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