No.45「リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(2)」

No.45
リチウムイオン二次電池の分析・評価技術(2)
~リチウムイオン電池の電極膜中粒子の分散性評価~
Evaluation of Particle Dispersion in Electrode of Lithium Ion Battery

リチウムイオン二次電池の高性能化のためには、電極膜中の活物質や導電助剤などの微粒子の均一分散化が重要です。当社では電極膜中粒子の分散性評価技術の開発を進めており、本報では二つの評価技術を紹介します。

一つ目は正極膜中粒子の物質分率評価です。ULV-SEM(極低加速電圧SEM)ではコントラストの高い反射電子像が得られ、一方、FE-EPMA(電界放出型電子線マイクロアナライザ)による元素マッピングでは、高い空間分解能が得られます。これらを組合せて物質の分別を行い、さらに画像処理により電極中粒子の分率を求めることが可能です。その一例としてコバルト酸リチウム正極の評価例を図1に示します。当該技術による空隙率の測定値14%は水銀圧入法による値とほぼ一致しています。

図1 正極膜中の物質分率評価事例
図1 正極膜中の物質分率評価事例
(活物質:コバルト酸リチウム)

二つ目は負極バインダーとして使用されているSBR(スチレンブタジエンゴム)の観察技術です。SBRはCとHのみで構成されるため、FE-EPMA元素マッピングでは活物質と助剤を見分けることができません。そこで酸化オスミウム(OsO4)を用いてSBRを染色します。反射電子像では重い元素ほど明るいコントラストを示すことから、活物質や導電助剤よりも、オスミウム染色されたSBRが明るいコントラストを持ち、負極膜中のSBRの分布を観察することが可能になります。その一例を図2に示します。SBRが負極の黒鉛粒子表面及び粒間に存在することが確認されました。

図2 オスミウム染色法による負極膜中のSBRの観察例(白色部:SBR)
図2 オスミウム染色法による負極膜中のSBRの観察例(白色部:SBR)

当社では電極塗工~電池評価までの一貫の試作評価設備材料解析評価技術を活用して、電極膜中粒子の分散性評価とその電池特性への影響調査まで総合的なサービスを提供しておりますので、ご興味をお持ちの方はぜひお問い合せ下さい。

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