No.49「高感度核磁気共鳴(NMR)を用いた構造解析と純度分析」

No.49
高感度核磁気共鳴(NMR)を用いた構造解析と純度分析
High Sensitivity Nuclear Magnetic Resonance (NMR) for Structural Analysis and Purity Analysis

はじめに

核磁気共鳴法(NMR)は有機化合物の同定や構造解析法として広く普及しています。この度、当社ではクライオプローブを搭載した高感度NMR(600MHz)を導入しました。汎用的なNMRと比較して感度が10倍以上向上し、微量な化合物の構造解析や、高精度な標準品等の純度分析において威力を発揮しています。

微量物質の構造解析

図1 ジクロフェナクのINADEQUATEスペクトル
図1 ジクロフェナクのINADEQUATEスペクトル

図1に、炭素–炭素間の直接結合をNMR観察した事例を示します。この観察は構造決定に極めて有効な手法ですが、“INADEQUATE (不十分な)”という名称が付けられるくらい感度の悪い測定法として知られています。従来、100mg程度の試料で一週間程度と非常に長時間を要していました。本装置によれば僅か20mgの試料、1日の測定で鮮明なスペクトルを得ることができました。また、構造解析の基本測定である1H-NMRは、1μg程度の少量試料で測定が可能です。

高精度な純度分析

近年、NMRを用いた有機化合物の絶対定量法(定量NMR法)が実用化されました。この手法はSI単位にトレーサブルで信頼性が高く、定量物質の標準品が不要であるといった特長が有ります。当社では、高感度NMRを純度分析に適用することで、S/N比とスペクトル分解能を向上し、高精度な純度分析を実現しました。

ピリメタニルの純度分析におけるバリデーション結果を表1に示します。真度(認証値との差)0.2%、併行精度0.05%と信頼性の高い結果が得られています。

表1 ピリメタニルの純度分析におけるバリデーション結果
項目 結果
特異性 選定した溶媒、内標準物質では妨害ピークは認められなかった。
定量限界 計算値:0.2mg/mL(S/N 100)
実際:1mg/mL(最小計量値より推定)
直線性 相関係数:0.9999(範囲:1~11mg/mL)
真度 認証値との差 0.2%
併行精度 相対標準偏差:0.05%

おわりに

少量の検体しか依頼に出せない、純度分析で充分な精度が得らない等お困りのことがございましたら、是非お問合せください。

このページに関するお問い合わせはこちらから

  • お問い合わせ
  • ご依頼の流れはこちら

JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部