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No.50「振動試験中の動的挙動解析」

No.50 振動試験 特集号

振動試験中の動的挙動解析~CAE解析による振動特性評価と改善提案~

はじめに

輸送機械や工作機械の動作環境に相当する振動試験のニーズが高まっています。振動試験を再現するシミュレーション(CAE)により、最適な形状変数や材料を評価することが可能です。本技術では、固有振動数を求める固有値解析とその応用により、事前検討・試験条件の絞り込み効果が期待されます。

解析概要

(1)車載ECU(Engine Control Unit)振動試験の解析

写真1 計測機器の配置と試験体撮影画像
図1 ECUの有限要素モデル(左)および
振動モード(変位量)(上:変更前、右下:変更後)

ECUの内部構造を詳細に模擬した有限要素モデルを作成し、振動試験を再現する解析を実施しました。図1にECUの有限要素モデルおよび振動モードの結果を示します。

まず、固有振動数は測定において得られた結果と一致しており、解析が妥当であると考えられます。また、現行形状では変位量が大きく、応力が発生することに対しては、ECU表面部材の板厚を調整することで、変位量が大幅に低減されます。

(2)振動試験治具の共振現象の解析

図2 振動試験治具の振動モードおよび柱幅と固有周波数の関係
図2 振動試験治具の振動モードおよび
柱幅と固有周波数の関係

振動試験における振動試験治具の共振現象は、測定エラーとなるため、これを抑制する設計が必要です。図2に振動試験治具の柱幅と固有周波数の関係を表すグラフを示します。

シミュレーションにより、柱幅が振動試験治具の固有周波数に与える影響が評価できます。振動試験範囲の周波数より高い固有周波数を実現することで、共振現象が抑制されることが可能になります。

おわりに

以上のように、CAE解析をすることで、想定される振動状態に対する適切な形状を提案することが可能です。その他、材料変更による改善も評価できるため、課題に応じて適切なモデル化や解析をご提案いたします。

※Computer Aided Engineering

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