LA(Laser Ablationの略)とは、固体試料にレーザ光を照射しそのエネルギーで試料を蒸発・微粒子化するもので、レーザ光の制御により微小域(5μm~)や極表層の試料微粒子化が可能な技術です。また、ICP-MSは、電子温度が約9,000Kに達するプラズマをイオン源とした質量分析装置であり、その最大の特徴は「高感度で定量性が高い」と言うことにあります。例えば、水溶液試料ではppt(絶対量でfg)の 検出能力を持ち、電子材料等の定量分析に利用されています。すなわち、LA-ICP-MSとは、レーザにより試料を微粒子化しながら超高感度なICP-MSで連続的に分析するものであり、今までの分析装置に無いユニークな特徴を持っています。
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| 図1. レーザICP質量分析装置(LA-ICP-MS)の構成 | 写真1. レーザアブレーション装置 |
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図2.スルーホールはんだ溶接部の局所分析グラフ
図3.コネクター端子部の深さ方向分析グラフ
写真2.プリント基板
上の図は、LA-ICP-MSでプリント基板を分析し、得られた時間-イオン強度曲線を示したものです。図-2はスルーホールはんだ溶接部にレーザ照射し分析した例で、30秒程度の測定でCu配線上にSn-Pbはんだで接合されている様子が分かります。また、測定イオンの強度比より濃度の推定が可能です。溶接はんだは、Pb含有率30%と推定され、一般的なものが使用されていたことが分かります。
深さ方向分析の例としてコネクター端子部の測定結果を図-3に示しました。コネクター端子は、Cu配線上にNi及びAu処理が施されていることが分かります。レーザ1回照射当りのスパッタ深さは0.02μm程度に制御可能であり、サブミクロンの深さ分解能を有しています。
表1.日本分析化学会製 プラスチック標準物質の分析結果

図4.ポリエチレン中のCd検量線
LA-ICP-MSは、ガラス・セラミックス・金属等の無機材料は勿論、プラスチック等の有機材料の固体直接分析も可能です。表1にポリエチレン中重金属標準試料(ベルギーBCR標準物質)を用いて、有機材料中の定量性を検討した結果を示します。この時のCd検量線を図4に示します。 このように検量線法による定量評価をはじめ、検量線が無い成分・材料に対しても質量分析の特徴を活かした半定量法での定量評価をご提供致します。
また当社では、EUのRoHS指令に対応した「プラスチック中有害成分分析用の標準物質」を作製販売しております。