電子機器筐体の電磁シールド性向上(ガスケットへの応用) <記事の一部紹介>

写真 携帯電話筐体
近年パソコンや携帯電話等の情報機器、テレビ、家庭用ゲーム機、カーナビ、各種医療機器等広範囲にデジタル機器が使用されるようになりました。これら機器から発生する"放射電磁ノイズ"は機器相互間の干渉による誤動作などの悪影響だけではなく、ペースメーカー装着者への影響も懸念され、高度な電磁遮蔽技術による良好な電波環境構築への要求が高まっています。国際電気標準会議は1979年特別委員会を設置し、1985年には機器から発生する放射電磁ノイズの許容値と測定法を定めました。それを受けて国内でも情報処理装置等電波障害自主規制協議会を設置し、関係メーカーによる自主規制の動きが推進されつつあります。
電磁遮蔽技術としては既に電子回路へのノイズフィルター挿入や筐体内面へのニッケル系無電解メッキ等が行なわれ一定の成果を上げています。しかし分割筐体の接合部の漏洩対策については必ずしも十分ではありません。例えば、金属製金網と弾力性のある樹脂を積層した複合部材をシールド材として使用していますが、この場合は組立誤差による漏洩が生じたり、とりわけ複雑な形状には対応が困難です。
当社の開発した導電性電磁ノイズシールド用サステックは主として分割された筐体の接合部に装着するガスケット用材料で、下記に示す優れた特長を有しています。
① 射出成形によるガスケットの一体成形が可能です。また異種材料の二色射出成形を適用することにより筐体とガスケットとの一体成形も可能です。その結果組立誤差が減少し、シールド性を高めることができます。
②
複雑な形状や細線及び薄肉形状にも対応可能な高い流動性を有しており、あらゆる用途に適用可能です。
それぞれの目的に合わせてポリスチレン系やポリエステル系等を使用し、各種形状、用途の実績を積んでおります。一例としてポリスチレンエラストマー系サステックの主な性能を以下に示します。
| 表面抵抗 | 1Ω | 優れた電導性を有しています |
|---|---|---|
| 体積抵抗 | 0.17Ω・cm | 約1/1000に減衰するシールド 性能を有しています |
| 電磁シールド特性 | 57~74dB(ラボ評価) (30~300MHz周波数帯のとき) |
写真は携帯電話の筐体(硬質樹脂製)に異種材料の二色射出成形法を適用したガスケットが、筐体に一体装着された試作成形品の一例です。