軽量中空鉄球(TEC-BALL)

~自動車用衝撃エネルギー吸収材をはじめ各種製品・部品の軽量化、コスト削減への貢献~

弊社では、この度、衝撃エネルギー吸収特性に優れた軽量中空鉄球『TEC-BALL』の開発に成功しました。TEC-BALLは、直径3~4mmで肉厚が70~100μm、見かけ密度が0.8~0.9g/cm3の水に浮くほど軽量な鉄球で、衝撃エネルギー吸収性や断熱性、防振性に優れています。自動車用の衝撃エネルギー吸収材(バンパー周り、センターピラーなど)や、エレクトニクス関連装置の防振材(半導体製造装置、顕微鏡など)に向けて実用化を進めており、また今後、各種産業分野への適用も進めてまいります。

軽量中空鉄球(TEC-BALL)

TEC-BALLは、製鉄プロセスから発生する酸化鉄を主原料に成分調整を行い、還元・焼結して製造します。主原料に酸化鉄を使っていることから、安価な量産に対応します。また、空隙部分が大きいにもかかわらず、単球の圧縮強度は150~250Nと大きな値を得ることができます。先行して商品化が進む発泡アルミニウムと比べて、発泡空隙サイズの均一化、圧縮強度に優れ、コストも安いことから広い適用範囲が見込まれています。

TEC-BALLの特徴

代表的な形状
φ3~4mm、殻厚70~100μm
見かけ密度
0.8~0.9g/cm3の超軽量鉄球
圧縮強度
150~250N
ボール間接合
接着樹脂、ろう付け、はんだ付けを適用できる
流動性
球形なため流動性は非常に良く、複雑形状の型材に充填が可能

断面構造と組織

断面構造と組織
TEC-BALL

圧縮特性

TEC-BALL1個の荷重-ストローク曲線(1例)
TEC-BALL1個の荷重-ストローク曲線(1例)

ボール接合例

銅めっきTEC-BALL
銅めっきTEC-BALL
すずめっきTEC-BALL
すずめっきTEC-BALL
エポキシ接着接合体
エポキシ接着接合体
銅ろう付接合体
銅ろう付接合体
すずはんだ付接合体
すずはんだ付接合体

エネルギー吸収特性

エネルギー吸収特性

TEC-BALL接合体は、軽量かつ大きな衝撃エネルギー吸収能力を実現します
(接合は、ろう付、はんだ付、接着剤などから、目的にあった方法を選択できます)

エネルギー吸収特性2

エネルギー吸収特性2

TEC-BALLを充填したパイプは衝撃エネルギー吸収量が増加します
(R:ポンチ曲率半径、s:スパン長、パイプ径13mm、肉厚1mm)

  • No.1条件 R5ポンチで3点曲げ試験
  • No.2条件 R39溝アリポンチで3点曲げ試験
  • No.3条件 R65ポンチで3点曲げ試験

曲げ試験体断面(R=5 の場合)
曲げ試験体断面(R=5 の場合)

曲げ変形特性

曲げ変形特性

パイプ断面( 試験前)・パイプ断面( 試験後)

サンドイッチパネル構造(機械特性&熱特性)

TEC-BALLをサンドイッチしたパネル
TEC-BALLをサンドイッチしたパネル
(左から、1層 t2.2mm、2層 t4.1mm、3層 t6.2mm)

断面構造(3層)
断面構造(3層)

TEC-BALLをサンドイッチしたパネルは鋼板やアルミニウムと比べ、軽量高剛性パネルとなります

  ヤング率
GPa
剛性
102Nm2/m
密度
g/cm3
比剛性
102Nm2/m/g/cm3
サンドイッチパネル(1層) 102 0.68 2.3 0.30
鋼板 200 1.35 7.9 0.17
アルミニウム 73 0.47 2.7 0.17

・サンプルサイズ 30W×200L×2t(mm) ・スパン長 100(mm)

熱伝導率の比較

  比重 熱伝導率(W/mK)
サンドイッチパネル(1層) 2.30 1.04
サンドイッチパネル(3層) 1.83 0.82
Fe 7.86 80.2
Cu 8.92 401
Al 2.70 237

TEC-BALLをサンドイッチしたパネルは、低い熱伝導率を示します。

通常鋼板(t1.6)

通常鋼板(t1.6)

1層サンドイッチパネル(t2.2)

1層サンドイッチパネル(t2.2)

3層サンドイッチパネル(t6.2)

3層サンドイッチパネル(t6.2)

TEC-BALLをサンドイッチしたパネルは、短時間に振動を除去することが可能です