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No.73「金属材料の出張分析&PMI試験 GREENFACT®」

No.73 新評価装置・分析特集号

金属材料の出張分析&PMI試験 GREENFACT®~炭素の定量が可能な可搬式発光分光分析装置~
Portable Emission Spectrometer That Can Quantify Carbon

なぜいまこれが?

近年、海外へ製品を出荷する場合、有姿で成分分析を行い異材では無い事を証明するPMI試験(Positive Material Identification)を要求されるケースが増えています。

GREENFACT®(写真1)は、鉄鋼材料の材質調査に必要な成分情報をその場で得ることができます(表1)。特に、鉄鋼材料の特性にとって重要な成分である炭素を0.01wt%レベルで定量することができます。

表1 GREENFACT®の適用範囲例
単位:wt%
成分 適用範囲 成分 適用範囲
C 0.01~4.00 Ni 0.01~30.0
Si 0.01~3.5 V 0.005~5.0
Mn 0.01~8.5 Ti 0.005~2.0
P 0.005~0.15 Nb 0.005~1.5
S 0.005~0.30 Co 0.01~10.0
Cu 0.01~3.0 W 0.01~15.0
Al 0.005~1.0 Sn 0.01~0.4
Cr 0.01~25.0 Pb 0.01~0.05
Mo 0.01~6.0 B 0.01~0.12

分析対象の鋼種や状況により定量範囲が異なる場合があります。

写真1 GREENFACT装置概観
写真1 GREENFACT®装置概観

これがポイント!

鉄鋼材料には様々な規格がありますが、SUS316(C:0.08 wt%以下)とSUS316L(C:0.030 wt%以下)のように炭素量の違いが鋼種を判別する決め手となる場合があります。

GREENFACT®は鋼の成分値決定にも用いられるスパーク放電発光分光分析法を採用しており、光電子倍増管(PMT)という高感度な検出器を備えた分析装置です。一般的なCCD検出器と比べ炭素の分析精度が優れていることが特徴で、JIS G 1253スパーク放電発光分光分析方法で要求される分析精度を満たす能力を持っています。例としてSUS316L、SUS316に相当する組成を持つ標準物質を分析した例を示します(表2)。このように、0.012wt%と0.039 wt%という僅かな炭素量の違いを精確に分析することができます。

また本技術は室内外問わず持ち運びができて適用できるため、PMI試験、チェック分析、プラントエンジニアリング、建設及び電力・原子力など幅広い広い分野より多種多様の出張分析事例があります(表3)。

当社では、東日本(川崎市)、西日本(福山市)の2拠点に装置を保有し全国各地で出張分析を展開しています。お気軽にご相談ください。

  • 表2 SUS相当材の炭素分析事例
    単位:wt%
    試料名 BS84H
    (SUS316L 相当)
    JSS652-11
    (SUS316 相当)
    認証値 0.012 0.039
    分析値 0.012 0.038
    σ 0.0011 0.0010
  • 表3 出張分析の事例
    分類 出張分析事例
    PMI 試験、
    チェック分析
    船舶部品のPMI試験
    ポンプ部材のPMI試験
    溶接補修材のPMI試験
    バルブのPMI試験
    輸入部品のチェック分析
    プラントエンジニアリング SUS系構造物の浸炭評価
    製油所加熱炉配管の劣化評価分析
    ハースロールの材質調査
    錆発生タンクの材質分析
    建設、インフラ 補修橋梁の鋼材調査
    橋梁溶接部の材質分析
    老朽建築物の材質調査
    電力・原子力 原子力用材料の材質分析

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