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No.19「環境・エネルギー(6)」

No.19 多層断面構造溶接ワイヤの特徴と今後の展開 他

環境・エネルギー(6)~環境プロセスの提案(排水処理)(2)~

今号では、当社の排水処理への取り組みの一例を紹介いたします。

潤滑液の入った排水の処理方法

回転機器の潤滑と冷却を兼ねた排水の処理法検討依頼がありました。潤滑には水溶性の作動液が用いられ、水質分析 の結果からCODが排水基準の20mg/Lをわずかに超えるため、そのままでは排出できないことが判明しました。

処理法の選定

通常の油であれば、水には溶解しにくいため、浮上法等の分離法でたやすく処理できますが、この場合はそう簡単ではありませんでした。潤滑性を長期間維持させる物質であるため、非常に安定で処理しにくい物質であることが判明しました。表に処理法案と実験室規模での試験結果を示します。排水基準の20mg/Lを安定的にクリアするためにはCOD除去率が50%以上必要であり、かつ処理コストも安価が望ましいことから、総合して活性炭吸着法およびオゾン酸化法を選定しました。

活性炭吸着法およびオゾン酸化法

活性炭吸着法の吸着概念図を図1に示します。作動液成分は、活性炭の無数に存在する細孔に入り込み、細孔内表面 に吸着して分離されます。活性炭がこれ以上吸着できない状態になったら、交換することとなります。
オゾン酸化法の有機質酸化の反応経路を図2に示します。(1)オゾン分子中の酸素による直接酸化反応、(2)ヒ ドロキシルラジカル(OH・)によるラジカル反応で、酸化分解させます。オゾンは時間の経過とともに次第に自己分解する残留性の低い物質であるため、後段へのオゾンの影響は低位です。

実証プラント試験

以上の実験室規模の結果からいきなり実際の設備を製作するのはリスクが高いため、実証プラントで実際の排水を用いた連続処理実験を行います。当社はこのようにして得られた確かなデータを基に、設備製作を進めています。

表 候補とした排水処理法と試験結果
候補とした排水処理法と試験結果
活性炭細孔内の吸着概念図
図1 活性炭細孔内の吸着概念図

水中におけるオゾンと有機質Mとの反応経路
図2 水中におけるオゾンと有機質Mとの反応経路

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