樹脂・複合材料の強度評価

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絶縁破壊試験

フイルム、成形体、絶縁被覆体などの絶縁破壊強さを評価いたします。

絶縁破壊試験とは

  • 絶縁破壊とは、自由に動き回れる電荷担体をほとんど持たない絶縁体に高電圧を負荷することにより、絶縁体内に電荷担体が急増することで生じる破壊現象です。
    絶縁破壊試験では下記の方法が知られております。

    • ① 連続昇圧法(絶縁破壊試験):
      一定速度(10数秒で絶縁破壊が起こる速度)で電圧を印加し絶縁破壊が生じた時の電圧を絶縁破壊電圧とします。
    • ② 段階昇圧法(段階昇圧破壊試験):
      短時間法によって破壊電圧を求め、その40%に近い電圧を決定し、この電圧を20秒加え破壊するまで順次電圧を高めて試験し、破壊しなかった最大電圧を絶縁破壊電圧とします。
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連続昇圧法(絶縁破壊試験)

高温絶縁油中における高分子材料の絶縁破壊試験

電気電子分野における材料選定にあたっては、材料の絶縁特性を把握することが非常に重要です。材料の絶縁特性は試験温度によって異なります。例えば、電気電子部品は、高温環境で使用されるものもあり、高温環境での絶縁性評価が求められます。CPUに使用される電子部品材料では105℃、モータ用絶縁材料では200℃程度までの温度環境で使用されることがあります。

当社では、絶縁油中において200℃までの絶縁破壊電圧を評価できるため、電子部品材料やモータ用材料の使用環境における絶縁性を評価できます。

装置仕様

室温~200℃までの温度に対応しています。

試験可能な電極組み合わせ図
試験可能な電極組み合わせ
電源 交流50 Hz 30 kVまで
直流 6 kVまで
温度 室温~200℃
測定法 連続昇圧法・ステップ昇圧法・耐電圧試験
電極 同径・異径・球-平電極対応

測定事例:絶縁破壊電圧の温度依存性

絶縁破壊電圧は、測定温度の影響を受け変化します。
図2は、ポリエチレンフィルムの絶縁破壊電圧を試験温度を変えて評価した結果を示しています。
試験温度が高温であるほど絶縁破壊電圧が低下することを確認しました。

段階昇圧法(段階昇圧破壊試験)

絶縁材料の段階昇圧法による絶縁破壊試験

図(2)の段階昇圧試験は、一度破壊してしまうと次には使用不可能になる復元不可能な絶縁体(例えばエポキシ樹脂などの高分子材料)の試験に用いられ、少ない試験片数で効果的な試験結果を得ることが可能な方法です。

段階昇圧試験規格について

項目 詳細
対応規格 JIS C 2110-1:2016
10.2 20秒段階昇圧試験
昇圧開始電圧=Vs 絶縁破壊試験(短時間試験)から予測される絶縁破壊電圧の40%
昇圧ステップ 右表
印加時間 各ステップ20秒
判定 20秒間耐えた最も高い電圧を絶縁破壊電圧とする。
段階昇圧試験について

昇圧ステップ

昇圧開始電圧 Vs 昇圧ステップ
Vs≦1.0 Vsの10%
1.0<Vs≦2.0 0.1
2.0<Vs≦5.0 0.2
2.0<Vs≦5.0 0.2
5.0<Vs≦10.0 0.5
10<Vs≦20 1.0

試験事例:ポリイミドの絶縁破壊試験・段階昇圧試験

<試験条件>

  • 厚み:100 µm
  • 電極:球-平電極の組合せ
  • 昇圧速度:1 kV/s
  • 測定雰囲気:室温、大気中

(※サンプルは沿面放電による絶縁破壊がが発生しない様にA4サイズを使用)

グラフ
樹脂 略号 絶縁破壊試験 段階昇圧試験
破壊電圧(kV) 昇圧開始電圧(kV) 昇圧ステップ(kV) 破壊電圧(kV)
ポリイミド PI 17.6 7 0.5 14.0
ポリエチレンナフタレート PEN 19.5 8 0.5 15.0
ポリエチレンテレフタレート PET 16.9 7 0.5 14.5

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