No.09「疲労特性の評価について(1)」

No.09
疲労特性の評価について(1)~高サイクル疲労と低サイクル疲労~

疲労という言葉は、日常生活にも使われ、また事故原因に金属疲労という言葉も目にします。プラント、鋼構造物等の損傷原因は80%が疲労、20%が腐食等とされています。材料そのものが原因で損傷したという事例は思いのほか少ないものです。ここでは、疲労特性の評価について基礎的なことを紹介します。

疲労とは(定義)

変動する荷重が材料に負荷され続けるとき、材料に生じる応力の絶対値が静的引張の降伏点以下でも材料の損傷、亀裂の伸展、破壊へと進展する現象を疲労といいます。疲労は金属材料ばかりかゴムなどの高分子材料にも生じます。

高サイクル疲労と低サイクル疲労の特長

疲労設計は繰返し応力によることが多く、疲労に耐える応力を求めるため、一定応力の繰返しによる材料の破断寿命(破断繰返し数)をプロットしたS-N(応力―繰返し数)線図(図1)を各種の材料で求めています。鉄鋼材料では107回の繰返しでも破壊しない応力が疲労限とされています。
 一方、部分的に材料の降伏点に近いひずみが発生するような場合には、材料に一定ひずみを繰返し与えた場合に対する亀裂発生繰返し数Ni、あるいは破断繰返し数Nfをプロットしたε-N(ひずみ―繰返し数)線図(図2)を求めます。この場合、ひずみ量が大きく、材料の降伏点前後であることから、破断寿命が短いので低サイクル疲労と呼ばれています。この低サイクル疲労の場合その破断寿命を良くするには材料の延性改善が効果的です。
 又、S-N線図において104回以上の高寿命側は高サイクル疲労と呼ばれており、その疲労強度は材料の強度に比例して大きくなります。高サイクル疲労は一般に弾性域内で使用される場合であり、ばね材はその典型です。図1の既知のデータベースを使用して、調査対象材がどういう特性を示すかを評価することができます。この線図を得るには、試験片の大きさにもよりますが、約1週間程度必要です。次回は、亀裂伸展と疲労寿命評価についてお話しします。

図1 S-N(応力―破断繰返し数)線図の模式図
図1 S-N(応力―破断繰返し数)線図の模式図
図2 ε-N(ひずみ-破断繰返し数)線図の模式図
図2 ε-N(ひずみ-破断繰返し数)線図の模式図

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