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No.26「微細構造を明らかにする物理解析(9)」

JFE-TEC News No.26号 電池LAB(1) 他 記事一覧

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No.26(2011年01月)
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No.26 電池LAB(1) 他

微細構造を明らかにする物理解析(9)~極低加速電圧走査電子顕微鏡による食品表面の微細構造観察~

食品と走査電子顕微鏡

これまで食品産業における電子顕微鏡の活用は、食品そのものを観察するというよりは、混入した異物の観察などの品質管理上のトラブル対策が主でした。これは、通常のプローブ電子線の加速電圧では食品表面にダメージを与えてしまうからです。
しかし、最新の極低加速電圧走査電子顕微鏡では、加速電圧を1kV以下にすることが可能で、食品そのものの形状、面状態、成分分布などが詳細に観察できるようになりました。近年、食品分野においても、健康志向の高まりと共に、ナノテクノロジーを活用した新機能性食品の開発が盛んになっています。ナノテクノロジー技術を使った調味料やフリーズドライ食品、機能性食品では、ミクロンからサブミクロン、ナノオーダーとスケールダウンした加工技術や構造設計が要求されています。

極低加速電圧走査電子顕微鏡による観察例

図1に、調味料の観察例を示します。左側に食塩のSEM写真を、右側にスパイス入り食塩のSEM写真を示しています。いずれも上段が低倍率で、下段が高倍率で撮影した写真です。サイコロ状の食塩表面は1μm以下の微細な粒子で覆われている様子が観察されます。これらの粒子は、食塩の固結を抑制する防止剤と考えられます。一方、スパイス入り食塩では、サイコロ状の食塩の周囲に形の不明瞭な別の物質が付着している様子が観察されます。これらはスパイスの有機分や油分などであると推定されます。
図2に、インスタントコーヒー粉末の観察例を示します。左側がスプレードライ製法の粉末のSEM写真、右側がフリーズドライ製法の粉末のSEM写真です。インスタントコーヒーは作製方法の違いにより、粉体の表面形態が大きくことなっていることが分かります。
これらの事例のように、特殊な試料前処理を行うことなく、また食品表面にダメージを与えることなく、手軽に食品の微細構造を観察することが可能です。当社は、食品のナノ評価技術で新たな世界をご提供いたします。

図1 調味料のSEM写真
図1 調味料のSEM写真
図2 インスタントコーヒー粉末のSEM写真
図2 インスタントコーヒー粉末のSEM写真

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