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No.68「水素社会を担う燃料電池の試作・評価とナノ構造解析(2)」

No.68 EV特集号 Part1 電池解析技術

水素社会を担う燃料電池の試作・評価とナノ構造解析(2)~固体高分子形燃料電池触媒中の担体・触媒・アイオノマーの3次元可視化・定量評価~
3D-Visualization and Quantification Technique for Catalyst Polymer Electrolyte Fuel cell by Scanning Transmission Electron Microscope

なぜいまこれが?

カーボンフリーな社会を実現するための重要なエネルギー源の一つとして、水素と酸素を利用して発電する燃料電池が現在注目を集めており、特に自動車に代表されるモビリティ分野においては、低温で動作し、発電効率の高い固体高分子形燃料電池(以下PEFC)の実用化に向けた研究が世界中で進められています。

これがポイント!

PEFCの心臓部となる触媒には白金合金でできた触媒粒子とプロトン伝導を担うアイオノマー(スルホン酸の官能基を含む高分子)等の高価な材料を使用することから、実用化のためには効率的な材料の利用と電池性能を両立させる構造設計が重要なポイントとなっています。

このため、PEFCの開発では電気化学的な特性だけでなく構造を評価するための観察技術が必要ですが、PEFCに使用する触媒粒子の粒径は約3nm程度であり、それらが修飾されるカーボン担体の直径も20nm程度と極めて小さく、観察するためには透過電子顕微鏡などの高性能な電子顕微鏡が必要となります。

しかし、従来の電子顕微鏡観察技術では電子線照射に弱いという弱点に加え、カーボン担体と同じような軽い元素で構成されているアイオノマーをカーボン担体と識別することが困難でした。

当社が開発したこの材料系に最適化した走査透過電子顕微鏡(STEM)観察技術は、これらカーボン担体やアイオノマーを透過してきた電子の僅かな差を区別して検出することができます。さらに二次元観察による平面上の識別はもちろんのこと、内部構造を含む三次元的な構造解析や定量評価もできるようになりました()。

この技術とコンピューターシミュレーションを組み合わせることで、PEFC触媒の実際の構造と理想的な構造を比較検討することができ、触媒作製プロセスの最適化を効率的に推進できることが期待されます。お気軽にご相談下さい。

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