事例集

dQ/dVによるLIB劣化診断

充放電測定時に得られるdQ/dV曲線によりリチウムイオン電池内部の劣化状態を把握いたします

リチウムイオン電池のdQ/dV解析手法の特徴

dQ/dV曲線は、充放電試験によって測定した容量を電圧で微分することで得られ、ピーク位置や強度により電極の劣化情報を得ることができます。dQ/dV曲線を用いた解析は電池を解体する必要がないため、サイクル経過による各電極の劣化状態を非破壊で把握することができます。

当社では、dQ/dV曲線を用いた非破壊での劣化状態解析手法と解体した電極の分析・解析技術を組み合わせることで、より確度の高い劣化診断ができるようになりました。

dQ/dV曲線を用いた劣化解析事例

  • SiO黒鉛混合負極を用いたフルセルのdQ/dV解析

    図1は、負極に黒鉛とSiOの混合負極を用いたリチウムイオン電池の充電時のdQ/dV曲線です。①は正極、②は負極のピークを表しています。

    負極ピーク②は、サイクル試験により②’(黒鉛)、②’’(SiO)の二つのピークに分離していることが分かります。これは負極内のSiOの劣化による影響と考えられます。

    正極ピーク①は、サイクル試験により高電圧側へシフトしており、ピーク強度についても低下しています。これは、正極における抵抗増加及び容量低下を示唆しています。

    解体負極の断面SEM観察

    図2は、解体した負極断面の反射電子像です。サイクル試験後はSiO(白色部の粒子)の周囲に抵抗上昇要因である被膜及び空隙が多く観察されました。このことは、負極内SiOの利用率の低下(負極の劣化)を示しています。

    またこのことは、同時に可逆Li量の減少を示唆しており、dQ/dV曲線にみられる正極の抵抗上昇及び容量低下を裏付ける結果と考えられます。

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