事例集

交流インピーダンス計測による塗装金属板の評価

電気化学計測である交流インピーダンス計測により、塗装鋼板の耐食性や現状の評価ができます。

塗装鋼板の交流インピーダンス計測

有機被覆鋼材の耐食性や耐久性の評価には、電気化学計測である交流インピーダンス計測が適しています。交流とするのは、塗装のような絶縁物に近い物でも適用できるためです。塗装鋼材の交流インピーダンス計測においては、下図に示す電気的な等価回路を考慮し、例えば塗膜抵抗の大小を比較したり、界面での腐食抵抗値の大小を比較することで、塗装鋼板の良しあしを判断することができます。

塗装金属板の等価回路と交流インピーダンスの関係

黒塗装した金属板の交流インピーダンスの等価回路としては、(1) 比較的劣化が少ない場合及び(2)劣化が進んだ場合の2種類に分けて考えられます。この等価回路とボード線図(周波数とインピーダンスの絶対値の両対数プロット)を示します。これらボード線図は等価回路に模擬的な数値を入れて計算したものです。比較的劣化が少ない場合には、塗膜の等価回路は、抵抗成分と容量成分の並列回路して表されることから、低周波数側において示す抵抗成分が塗膜抵抗と解釈されます。塗膜抵抗値は塗膜の環境遮断性の指標として使うことができ、塗膜抵抗が大きい方が環境遮断性が良好であると言えます。また、劣化が進んだ場合には腐食抵抗が現れる場合があり、この場合には腐食抵抗が大きい方が良好な耐食性を示すものと言えます。なお、実際に塗装鋼板の交流インピーダンスを計測するためには、塗膜中に水や酸素、イオンなどが十分浸透した状態で計測することが必要になります。そのため、交流インピーダンスを計測する前には、計測対象の溶液に浸漬したり、浸漬⇒計測を繰り返したりするなどの処置が必要な場合があります。

  • (1) 比較的劣化がない場合の等価回路

  • (2) 劣化が進んだ場合の等価回路

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