事例集

ガルバニック腐食量の数値解析による予測

ガルバニック腐食でのアノード電極の腐食量の変化を数値解析技術により予測します

ガルバニック腐食量予測の概要

ガルバニック腐食は、電気的に短絡した異種金属表面に溶液が付着したときに発生します。当社で開発中の腐食現象の数値解析技術を利用して、ガルバニック腐食でのアノード電極の腐食量の変化を、計算によって求めることが可能です。
この技術によって、準備や測定に時間と費用がかかる実験を省略できる可能性があります。

計算条件と計算結果

計算方法

腐食現象の数値解析は、以下のステップから成り立っています。

  • (i) 分極曲線を考慮して、電極、溶液の電位分布を求めます。
  • (ii) 拡散係数、イオン移動度を考慮して拡散方程式を解いて、溶液内のイオン、分子濃度分布を求めます。
  • (iii) (ii)で求められたイオン濃度分布から、平衡定数に基づいて溶液内での腐食生成物の生成量の分布を求めます。

各ステップの計算を微小時間に対して行い、(i)、(ii)、(iii)を繰り返すことで、ある時間までの腐食生成物の分布等の変化を求めることが可能です。以下の計算では、ステップ(i)の機能を使っています。

計算例

  • 図1にガルバニック腐食の計算モデルを示します。アノードとカソードが、A1015とSPCCのガルバニック腐食をモデルとしています。アノードとカソードの長さはそれぞれ70mm、溶液(20重量%NaCl)の厚さは0.1mmで、計算では任意に変化させられます。
  • 分極曲線を入力データとして、計算で求められた低温(-10℃)と室温(25℃)でのアノード表面の電流密度の分布を図2に示します。電流密度は、A1015の腐食量に対応します。
  • 図2から求められる、A1015の室温の腐食量に対する-10℃の腐食量の比率を表1に示します。計算と実験で求められた比率は、どちらも1/1000程度と、実験と計算結果がほぼ一致する結果となっています。
  • 分極曲線のデータがあれば、他の金属の組み合わせでも計算可能です。お気楽にお問合せ下さい。
ガルバニック腐食の計算モデル図
図1 ガルバニック腐食の計算モデル
  • アノード表面の電流密度分布グラフ
    図2 アノード表面の電流密度分布
  • 表1 A1015の腐食量の変化
    腐食量(-10℃)

    腐食量(室温)
    計算 6.2×10-⁴≒1×10-³
    実験 1×10-³

    実験:ガルバニック電流の変化

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