事例集

SEM-ECCI法による転位の広域観察技術

転位や積層欠陥などの欠陥構造の分布を、SEMで簡便に評価することができます。

SEM-ECCI法について

転位をはじめとする結晶材料中の欠陥の分布評価は材料開発・研究の上で非常に重要です。走査電子顕微鏡(SEM)を利用したSEM-ECCI(Electron Channeling Contrast Imaging)法は、サンプルへの電子線の入射条件(回折条件)によって 反射電子の放出量が変化する現象を利用して、原子配列が乱れた転位や積層欠陥などの結晶欠陥構造を可視化する 手法です。従来の欠陥構造観察に用いられてきた透過電子顕微鏡(TEM)法や走査透過電子顕微鏡(STEM)法と比較して、SEM-ECCI法は複雑な試料調整(薄膜化)が不要でバルク材料のまま観察でき、かつ広範囲を観察できるメリットがあります。

金属・合金(積層造形材)中の転位や積層欠陥の分布観察

三次元積層造形法で製造したステンレス鋼(SUS316L)およびCoCrMo合金を、SEM-ECCI法で観察いたしました。SUS316L(図1)では、転位が明るい曲線状コントラスト(黄矢印)として多数確認でき、転位がセル構造組織の境界部(網状コントラスト部)近傍に集合していることがわかります。CoCrMo合金(図2)では、転位に加えて積層欠陥が直線状コントラスト(橙点線)として可視化できました。両サンプルはともにFCC構造でありながら、転位や積層欠陥の分布が異なっていることがわかります。

このように、材料特性に大きな影響を与える結晶欠陥(転位や積層欠陥など)の分布を、マクロ~ミクロのマルチスケールで可視化することができます。さらにEBSDによる歪解析(結晶方位変化、弾性歪分布)、XRDによる転位密度解析などと 組み合わせた総合的な材料解析技術をご提案し、お客様の材料開発・研究におけるソリューションを支援いたします。

[CoCrMo合金試料 ご提供元:国立研究開発法人 産業総合技術研究所 健康医工学研究部門 岡崎義光様]

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