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No.54「【最新技術紹介】界面活性剤の迅速解析技術」

No.54 小特集:電池解析

【最新技術紹介】界面活性剤の迅速解析技術~NMRとLC/MSで界面活性剤の品質管理をお手伝いします~
Rapid Analytical Methods of Surfactant

はじめに

界面活性剤の一つのポリソルベートは、医薬品・化粧品・食品をはじめ様々な分野の添加剤として広く利用されています。医薬品では、特にバイオ医薬品製剤の安定性に大きく寄与します。ポリソルベートは、多種成分から成る不均一な界面活性剤であり、また分解不純物が生成しやすいことから、全成分を正確に把握することは難しく、適格な評価方法は知られていませんでした。そこで今回、核磁気共鳴(NMR)装置や高速液体クロマトグラフ/質量分析(LC/MS)装置を用い、正確かつ迅速なポリソルベートの成分分析方法を開発しました。

NMRによるポリソルベート分解物の含有率の決定

ポリソルベートのポリオキシエチレン鎖末端では、自己酸化によりギ酸等の酸性分解不純物が生成し、バイオ医薬品製剤の安定性に影響を与える場合があります。NMRでは一次元スペクトルを測定することにより(図1)、このようなポリオキ シエチレン鎖末端の分解不純物の含有率を簡便に知ることができます(表1)。本法は、ポリオキシエチレンヒマシ油等のオキシエチレン鎖を有する非イオン性界面活性剤全てに適用することができます。

図1 ポリソルベート20の13C NMRスペクトル
図1 ポリソルベート20の13C NMRスペクトル

上段:加熱処理後、下段:加熱処理前
加熱処理により分解物由来のピーク(ギ酸エステル,水酸基,メトキシ)が現れました。

表1 NMRによるポリソルベート分解物の含有率
(モル比(%))
  ギ酸
エステル
水酸基 メトキシ オキシ
エチレン
加熱後 37 1 2 60

LC/MS によるポリソルベートの成分プロファイル解析

バイオ医薬品製剤の安定性に影響するポリソルベートの分子種を同定し、それらの混合比を明確にすることは、安定性の再現性評価に有効です。今回LC/MSを用い、ポリソルベートの1種であるポリソルベート20の全32化合物を分離・同定し、それらの混合比を迅速に算出する手法を新たに開発しました(図2表2)。本法はポリソルベートのロット間差や、メーカー間差の評価に適用できます。是非お役立てください。

図2 ポリソルベート20のMSクロマトグラム例
図2 ポリソルベート20のMSクロマトグラム例

最上段がTIC、2段目以降が各成分の抽出イオンクロマトグラム

表2 ポリソルベート20の各成分の強度比例
成分名 強度比*
POE isosorbide monocaprylate 0.08
POE sorbitan monocaprylate 0.21
POE sorbitan monocaprate 0.21
POE isosorbide monocaprate 0.08
POE sorbitan monolaurate 1.00

おわりに

界面活性剤の品質管理でお困りの場合にはお気軽にご相談ください。ポリオキシエチレンを含まない界面活性剤についても対応させていただきます。

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