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No.19 半導体デバイス内の微弱発光検出による故障解析

"KTEC News"は、旧・川鉄テクノリサーチ(株)が年4回発行していた小冊子です。バックナンバーとして掲載しておりますが、現在お取り扱いしていない製品・サービスの場合もございますので、ご了承ください。

従来、半導体内部の故障解析において、リーク、静電破壊、ホットエレクトロンa、ラッチアップb等の不良部の特定は、選択エッチングや液晶法などにより実施されてきた。しかしこれらの方法や電気特性を利用した方法では電極パターンの縮小や絶縁膜の薄膜化等、ますます微細・複雑化するメモリIC等のVLSI(超大規模集積回路)の詳細な解析は難しくなってきている。特に、局所的な高電界により発生し、半導体素子の信頼性を阻害する種々の異常現象発生個所をより正確に特定する方法が求められている。

最近この不良部位の特定方法として、デバイス中の微弱発光を検出し、解析することが可能となってきた。異常現象による微弱発光としては「酸化シリコン等の絶縁膜に欠陥がある場合、  弱い電流によるリークでの局所的な放電プラズマの可視光」「P N接合を流れるキャリアの再結合(高エネルギー電子の正孔との再結合)または結晶の原子核により起動を曲げられたときに 発する制動放射による光」「素子中の高電界により加速されたキャリアーのエネルギーによる発光」等がある。

上の写真はNMOS(金属酸化物半導体)のソースとウエル間のリーク電流による発光が認められたもので、20nA(1億分の2アンペア)と微小なリーク電流による不良個所が明瞭に確認されている(浜松ホトニクス社製「ホットエレクトロン解析装置」C3230)。
微弱電流による発光個所の解析は、光学顕微鏡と超高感度のテレビカメラを備えた検出部での顕微鏡像と、増幅・画像処理した発光観察像とをイメージプロセッサで重ね合わせることにより行われる。
この種の装置の利用により、高集積化・微細化されたデバイスの不良個所を検出精度よく、短時間で特定できるようになり、故障解析だけでなく半導体素子やVLSIの設計プロセス管理、信頼性管理等にフィードバックされて応用が進んでいる。

a)電子のエネルギーが増加した状態で熱い(ホットな)電子がSi-SiO2のバリアを越えて酸化シリコン中に注入される現象。閾値電圧の変動等を引き起こす。
b)寄生サイリスタが導通状態となり、回路の電源端子間等に大電流が流れ、動作阻害やIC自体が破壊される現象。

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