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No.39 金属超微粉のFIB加工断面透過電顕観察

“KTEC News”は、旧・川鉄テクノリサーチ(株)が年4回発行していた小冊子です。バックナンバーとして掲載しておりますが、現在お取り扱いしていない製品・サービスの場合もございますので、ご了承ください。

粉末試料の断面構造を観察する場合、従来は電子の通過が十分な粒子径が数nm~数十nmのものについて、試料を支持膜に保持し直接、そのままの状態でTEM観察されていた。
粒径がサブミクロン以上の場合粒子の薄膜化の方法がなく観察不能であった。ここでは断面TEM観察で既に紹介しているFIB(Focused Ion Beam)を粉末粒に適用した。

上の写真は金属超微粉を含む樹脂を挿絵のようなFIB加工により、薄膜試料としTEM観察したものである。通常のバルク試料ではPt-Pd+Wの表面保護膜を用いて最表面を確保するのに大して樹脂内で形状の明瞭なものを選択して撮影している。二個の粒子は樹脂で保護され隣接している状態であるが接触はしていない。
粉末の断面形状は多角形であるが、加工途中のSIM像(走査イオン像:Scanning Ion Microscopy像)によれば、透過電子線に対して粉末は輪切り状態の単結晶であると思われる。

角張った粒形は優先成長方位との関係が想像される。粉末表面には酸化物が表面に沿って存在し、本試料では酸化膜厚は数nmと非常に薄い。断面の水星か火星表面のような模様は結晶内部の格子歪みに対応するものと思われる。

またこの方法によれば粒子内の空隙の有無が確認できるが本試料については空隙は存在しなかった。FIB加工による試料作成技術は本件のサブミクロンサイズの粉末に止まらず種々の微小部材のTEM観察について応用が拡大すると期待される。

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