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No.51 動的再結晶を活用した超微細組織薄鋼鈑(DREAM鋼鈑)

“KTEC News”は、旧・川鉄テクノリサーチ(株)が年4回発行していた小冊子です。バックナンバーとして掲載しておりますが、現在お取り扱いしていない製品・サービスの場合もございますので、ご了承ください。

衝突安全性や車体軽量化の観点から、近年自動車用鋼鈑の高強度化への要求が高まっています。しかし、一般に鋼鈑の強度が高くなると、伸びや穴拡げ率等のいわゆる成形性が低下するという問題があり、そのため、高強度化と成形性向上の両立が急務となっていました。

川崎製鉄(株)では、結晶粒が2μm以下の微細粒組織とすることにより、引張強度が590~780MPaと高強度でありながら、伸びと穴拡げ性の両方の特性に優れた熱延鋼鈑を開発しました。原理としては、鋼成分の調整により加工温度の低い仕上圧延で動的再結晶を発現させることにより、微細粒組織を有する鋼鈑(Dynamic REcrystallization Applied Metallurgy鋼鈑:DREAM鋼鈑)とすることにあります。この冶金原理を千葉製鉄所の熱延工場における大圧下圧延と圧延後の高精度冷却により達成しました。

従来の熱延鋼鈑の平均粒径は5~6μmで、第二相も粗大であるため成形時の亀裂起点となります。一方、超微細粒鋼は平均結晶粒径2μmでアスペクト比(結晶粒の長径と短径の比)が1.5以下であるため、いずれの方向(圧延方向、圧延直角方向、圧延45°方向)の成形性も優れております。また、パーライトやマルテンサイトなどの第二相も微細化しているため、伸びや穴拡げ性などの成形性を阻害することがありません(写真)。

本開発鋼はこれまでの高強度鋼鈑の成形性を飛躍的に向上させるものであり、今後、自動車用足回り部材やホイールなどへの適用拡大が期待されます。

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