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No.57 「繰り返し集束伸線」による自己相似型構造を有するナノ組織線材

“KTEC News”は、旧・川鉄テクノリサーチ(株)が年4回発行していた小冊子です。バックナンバーとして掲載しておりますが、現在お取り扱いしていない製品・サービスの場合もございますので、ご了承ください。

川崎製鉄では、線材を集束して伸線する行程を繰り返す「繰り返し集束伸線」を鋼線材に適用し、実験室レベルにおける線材の試作に世界で初めて成功しました。

図1は、複数本の低炭素鋼素線を鋼管に入れて集束伸線する行程を、4回繰り返して得られた線材の断面組織を示します。線材断面はフラクタル(自己相似型)構造に近い形態を有しており、1回目および2回目の集束体の配列がほぼそのまま維持されています。したがって、本技術を用いれば、素線の組成および集束配列の組み合わせにより、任意のマクロ組織と組成の制御およびそれによる種々の機能発現が期待できます。もう一つの特徴は、線材のミクロ組織には、初期の線材同士の界面は全く認められないことです。したがって、本技術は素線同士の機能的な金属結合の達成に有効です。異種金属を素線に組み合わせることにより、ミクロ的合金化も達成できます。さらに、従来の容製法では得ることのできない金属組織および化学組成を有する線材の創製も期待できます。
一方、線材断面の組織サイズは繰り返しにともない微細化され、4回繰り返し集束伸線、焼純後で平均粒径98nm(ナノメートル)の超微細組織を達成しました(図2)。その結果、引張強さは素線の強度の約3倍まで上昇しました。
このように、本技術は線材の新機能発現および組織の超微細化などに有効であり、多岐にわたる産業分野において構造部材あるいは機能部材としての適用が期待されています。

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