事例集
4端子法による薄膜の電気抵抗測定
薄膜材料やリチウムイオン電池の電極膜等の導電性、絶縁性評価にご活用ください。
電気抵抗測定
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太陽電池、液晶、有機EL等に用いられている薄膜材料やリチウムイオン電池の電極膜の導電性あるいは絶縁性の指標として、一般的に電気抵抗が用いられています。
電気抵抗測定には、図1に示しますように、4端子法と2端子法があります。2端子法の場合、一定電流を流した場合、電極と試料表面の間に接触抵抗による電圧降下が生じます。
4端子法は、この接触抵抗を排除し、真の体積抵抗率を求めることを目的としています。4端子法では、電流印加端子と電圧測定端子とを分離することにより、接触抵抗の影響を受けない状態となるため、高精度の抵抗測定が可能です。
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図1 電気抵抗測定法の比較
4端子法による電気抵抗測定方法
当社の4端子法による抵抗測定装置の外観を図2に、端子部の外観を図3に示します。外側の2端子(AとD)の間に一定電流を流し、内側の2端子(BとC)の間に発生する電位差を測定し、抵抗を求めます。
4端子法による測定では、試料内部に広がっている電界エネルギーが試料サイズ、測定位置に影響を受けて変化し、抵抗値に影響を及ぼします。
そこで、抵抗測定値に、補正係数(RCF:Resistivity Correction Factor)を乗じて、表面抵抗率や体積抵抗率を算出します。当社の4端子法抵抗測定装置では、補正係数演算ソフトを内臓し、試料形状、サイズ及び測定位置を入力することにより、補正係数を算出することが可能です。
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【補正計算式】
体積抵抗率ρv=V/I x RCF x t
面積抵抗率ρs=V/I x RCF
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図2 4端子法抵抗測定装置
(三菱化学製 Loresta-GP, MCP-T600) -
図3 端子部
(サンプル表面に端子を接触させた状態)
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