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No.15「有機材料の不具合解析事例(2)」

JFE-TEC News No.15号 レーザー溶接の伝熱シミュレーション 他 記事一覧

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No.15(2008年04月)
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No.15 レーザー溶接の伝熱シミュレーション 他

有機材料の不具合解析事例(2)~ゴム製品の劣化事例~

ゴム製品の不具合原因

ゴム製品はパッキンやロール等として産業分野や日常生活に広く使用されています。ゴム製品の不具合原因には、大きく(1)材料の強度や性能不足等の製品・部品原材料の問題(2)成形加工条件などの成形加工の問題(3)光、オゾン、熱、油、陰イオン、金属イオン等の使用環境下での材料劣化問題があります。ゴム製品の劣化はプラスチック成形品の劣化と比べて、材料が劣化して不具合となる事例が多く見受けられます。

不具合原因の解明手法

ゴム製品の場合、その性質上プラスチックの破壊のようにその原因を特定するような痕跡が残ることは少なく、破面の形態分析よりはむしろ材料面から未使用品との比較により破損原因を解析します。ゴムの劣化では、軟化あるいは硬化のいずれかが起こっていることが多く、硬度の測定により判断します。ついで、ゴム種を熱分解赤外線吸収分光法により決定し、有機溶剤による抽出や熱重量分析法により、ゴム成分、添加剤量等を求めます。さらにゴム性能に大きく影響する架橋程度を架橋密度により判断します。これらの結果と使用環境等とを総合的に勘案して劣化原因・破損原因を解析します。

ゴムの劣化事例

NBRゴムの酸化劣化事例を示します。写真1に劣化したゴムの破面を示します。この例では硬度の上昇、架橋密度の増加などが見られました。この劣化の原因としては酸化劣化による硬化進行、脆化、その結果、屈曲亀裂発生に至ったと考えられます。その他にも、ゴムパッキンやOリングなどの破損の際、無数の筋状の模様(ミクロクラック)が見られるオゾン劣化(写真2)や、水道水の殺菌に使用される次亜塩素酸により、水道パッキンゴムが脆くなってゴム表面からゴムが微粉となって脱落する黒粉現象が見られる例などがあります。

写真1 NBRゴムの亀裂発生事例
写真1 NBRゴムの亀裂発生事例
写真2 NBRゴムのオゾン劣化事例
写真2 NBRゴムのオゾン劣化事例

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