No.24「高速変形試験(1)」

No.24
高速変形試験(1)~高速引張試験時のひずみ分布計測~

自動車の衝突や携帯電話の落下などの例で見られるように、破壊現象まで含めた製品設計のために幅広い変形速度での材料特性の評価が必要とされています。前回のシリーズ(No.13~No.16)では高速引張試験の基本的概要について説明しましたが、今回はさらに高速での変形現象を評価する特殊技術の適用例について4回にわたってご紹介します。まずは高速引張試験時のひずみ分布の計測例について述べます。

試験片形状に求められる特性

高速引張試験では、通常の静的な引張試験とは異なり応力波の干渉の影響を排除して真の応力を計測するために特殊な試験機を使用します。また高ひずみ速度を実現するために比較的小さな試験片が用いられ、試験する材料の特性に応じて試験片の寸法・形状を最適化しておくことが重要です。引張試験片には初期の一様伸びの範囲で試験片の平行部全域で均一変形をしていること、つかみ部で変形をしないことが必要とされます。しかしながら従来は変形時間が極端に短い高速引張では、変形過程でのひずみ分布を精度良く把握することは難しく、試験片の寸法・形状が妥当であるかを厳密に判断することは困難でした。

微小領域のひずみ変化計測

当社は高速で変形する試験体の広範囲に亘って、微小な領域のひずみ変化を微小時間毎に計測する技術を開発しました。この方法では特殊な処理によって隣り合う微小領域に交互に異なるコントラストを付与し、高分解能高速度ビデオカメラにより微小領域の寸法変化を計測してひずみ分布を算出します。図に示した例では0.5mm四方の矩形領域に交互に異なるコントラストを付与しています。一様伸びの範囲(0.55msecまで)で試験片の平行部が均一に変形し、つかみ部、R部とも変形しておらず、試験片形状の妥当性が確認できます。またひずみ速度の分布も高精度で算出することも可能となりました。

図 蛍光X線によるプラスチック中微量鉛の測定結果
図 高速引張試験での試験片の変形状況

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部

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