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No.32「 GPGPUによる画像処理システムの高速化(2)」

JFE-TEC News No.32号 収差補正走査透過電子顕微鏡による高分解能組織観察 他 記事一覧

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No.32(2012年07月)
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No.32 収差補正走査透過電子顕微鏡による高分解能組織観察 他

GPGPUによる画像処理システムの高速化(2)~印刷文字欠陥の高精度検出システム~

欠陥検出とは

一般的に基準画像と検査画像との差分を取って、欠陥を検出する方式が用いられています。一致する部分は全て消去されるため、欠陥のみが抽出されるというものです。しかしながら、文字を対象とした場合には、画像に位置ズレが少しでもあるとうまく一致する部分を消去することができないため、欠陥検出精度が低下します。

今回、画像の位置合せを高精度に行い、文字欠陥を検出するGPU用のソフトを開発しました。今後、印刷における文字検査の高速・高精度化が期待されます。

文字欠陥高精度検出ソフト

a. 位置合せの高精度化

基準画像との位置合せは検査画像を数十の画像に細分化し、それぞれについてパターンマッチング処理を行うことにより、局所的な画像ズレ、および微少な傾きを補正します。大きな傾きの補正には、傾けた基準画像を用意して位置合せを行う方式を採用しています。

b. 高速処理化

上記の方式に従った処理(画像演算・画像移動・画像変換およびパターンマッチング処理)を行うGPUの並列化演算プログラミングを開発することにより能力を最大限発現させ、高速処理を可能としました。

適用例

紙面の移動速度と同期させて、ラインセンサカメラから画像を取り込み、GPUを搭載したPCで、各補正処理を行った後、基準画像との差分を取って欠陥を抽出する処理を行いました(図1)。

その結果、高速搬送という条件下で、文字部に入れた線欠陥や小数点の有無を検出することができました(図2)。これは従来と比較して約十倍の処理能力向上になっています。

従って、小さな文字で印刷される医薬品の取り扱い説明書のようなより高精細な印刷物における欠陥検出などへの適用も考えられます。

図1 印刷文字検査処理システム
図1 印刷文字検査処理システム
図2 文字部欠陥検出例
図2 文字部欠陥検出例

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