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No.35「極微量分析(5)」

No.35 電池材料の物理解析技術(4) 他

極微量分析(5)~超純水・高純度薬液の分析技術~
Ultra-Trace Analysis Technics (5)

はじめに

超純水や高純度薬液は、半導体・電子・食品・医療など様々な分野で使用されています。製品中への不純物混入を抑えるため、製造工程では超純水や高純度薬液が要求され、それらの純度を保証するためにppb ~ pptレベルでの極微量分析技術が必要になっています。

本号では、高精度・高感度分析を行うことができるICP質量分析法及び電気加熱原子吸光法を用いた超純水・高純度薬液の極微量分析技術についてご紹介します。

超純水・市販高純度試薬の極微量分析

高分解能型 ICP質量分析装置
写真1 高分解能型 ICP質量分析装置

当社では、試料調製から測定までをクリーンルーム内で行い、作業環境からの試料汚染を抑制しています。また、分析値の誤差要因となるスペクトル干渉は、高い質量分離能を持つ高分解能型ICP質量分析装置(写真1)を用いることにより防止しています。さらに、電気加熱原子吸光法では、使用器具や分析装置からの汚染を低減する技術を確立すると共に、試料注入・乾燥を繰り返す濃縮技術の採用により、さまざまな成分の極微量分析を可能としました。

表1に、極微量分析に用いている超純水の分析結果を示します。検出下限値は金属成分で0.01μg/L程度と高感度な分析が可能であることが分かります。 また、Siは上記した濃縮法を用いて電気加熱原子吸光装置で分析することにより、検出下限は1μg/Lになります。

市販高純度試薬の分析結果を表2に示します。この結果から、5%硫酸溶液と5%リン酸溶液では各種金属成分の含有量は検出下限値以下もしくは極微量濃度であり、マトリックスによる分子干渉の影響を受けないことが分かります。

表1 超純水の分析例( μg/L)
元素 分析値※ 測定方法
Na <0.01 高分解能 ICP
質量分析法
Al <0.03
Ca <0.01
Fe <0.01
Zn <0.01
Si <1 濃縮/電気加熱 AA
※ 3σ
表2 市販高純度試薬の分析例(分析値±σ, μg/L)
元素 5%硫酸溶液 5%リン酸溶液
Na <0.03 0.32±0.08
Al <0.03 <0.03
Ca <0.03 0.16±0.05
Fe <0.01 0.66±0.17
Zn <0.03 <0.03

おわりに

超純水や高純度薬液中の不純物分析では、ICP質量分析法や電気加熱原子吸光法の適用により最大62元素の高感度分析が可能です。お客様のご要望に応じて迅速に対応致しますので、ご興味のある方は是非ご相談下さい。

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