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No.60「医薬品と包装システムとの化学的相互作用(E&L)の評価技術」

No.60 医薬分析 特集号

医薬品と包装システムとの化学的相互作用(E&L)の評価技術
Evaluation of Chemical Interaction Between Medicines and Package

なぜいまこれが?

医薬品は製造、輸送、保管及び投与の過程で、包装システムの材料と化学的相互作用を生じる可能性があり、汚染物質のモニタリングと抑制が急務となっています。米国食品医薬局(FDA)のデータによれば、至近では、1年間で1000件といった規模で、この汚染物質に関するリコールが発生しています。そのため、汚染物質に関して高感度かつ高精度な評価方法が求められていますが、日本では検討中であり標準化された規格が無いのが現状です。

これがポイント!

包装材料からの汚染調査にはE&L法が用いられています。汚染物質の評価は、初めに苛酷な条件下で材質から抽出される可能性のある抽出物(Extractables)を求めます。リスクアセスメントにより管理すべき元素を決定し、実際の製造や使用条件下で浸出試験を行い医薬品中に検出される浸出物(Leachables)を評価します。それらを合わせた評価法がE&L法と呼ばれています。

当社では、医療機器分野において培ってきた溶出試験のノウハウや医薬品中の元素不純物分析技術を基に、海外での試験方法を取り入れたE&L評価法を構築しました。ブチルゴム栓付バイアルから溶出リスクのある元素について米国薬局方を参考に評価した結果を表1に示します。ブチルゴム栓をイソプロパノールで抽出するとSbが検出されます。Sbは経口投与では毒性は低いものの、吸入及び注射による投与ではリスク評価が必要です。また、ガラスの抽出物でも重金属が検出されリスク評価が必要です。このように、包装システムで使用されている容器、材料に合わせた溶出試験をデザインすることがポイントとなります。検出された元素についてリスクアセスメントを実施し、試験法の確立、分析法バリデーション、そして医薬品と包装の相互作用のリスクアセスメントを実施する試験(図1)を提案いたします。是非お気軽にご相談下さい。

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