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No.65「「新生活様式」に向けたソリューション(4)」

No.65 「新生活様式」に向けたソリューション 特集号

「新生活様式」に向けたソリューション(4)~次亜塩素酸水によるゴムの劣化評価と耐久性予測~
Degradation Evaluation and Durability Prediction of Rubber by Hypochlorous Acid Water

なぜいまこれが?

Oリング、パッキンなど多くのゴム材料が、室内製品の部材に使用されています。次亜塩素酸水により室内製品を消毒する際、ゴムの劣化、製品機能の低下が懸念されています。マルチマテリアル評価センターは、次亜塩素酸水によるゴムの劣化評価や耐久性の予測を実施しておりますので、ご紹介します。

これがポイント!

血圧計(ゴム袋、ゴム球)、泌尿器カテーテル等の医療用製品には天然ゴム(NR)が使用されています。次亜塩素酸は、ゴム分子を酸化劣化させ、分子切断により強度特性を劣化させます。ここでは、次亜塩素水中でのNRの強度劣化を評価するためにNRを高温(60~100℃)の次亜塩素酸水(有効塩素濃度200ppm、pH6.3)中に浸漬し、引張破断強度の経時変化を調査しました。さらに破断強度10%低下に要する浸漬日数を読み取りました(図1)。なお、次亜塩素酸水は、反応性が高く不安定であるため、液交換は毎日行いました。また、比較にイオン交換水中で同様の検討も実施しました。この結果をアレニウスプロット化し、直線の傾きから劣化反応の活性化エネルギーを求めました(図2)。活性化エネルギーはイオン交換水中よりも次亜塩素酸水中の場合に約6kJ/mol低く、次亜塩素水はイオン交換水よりもNRを劣化させやすい 事がわかりました。さらに寿命予想線図を作成し、図3に示しました。この結果からNRが10%破断強度低下にいたるまでに、常温のイオン交換水中では約120日間を、次亜塩素酸水中では約60日間を、要することがわかりました。現実には1日あたりの次亜塩素酸水とNRとの接触時間ははるかに短時間であるためさらに長時間の寿命を有すると考えられます。

当センターでは種々の高分子材料について各種環境(温度、湿度、薬品、UV-C照射等)負荷による材料物性の劣化評価と耐久性の予測を実施しております。お気軽にご相談下さい。

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