物理分析

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FE-EPMA(電界放出型電子線マイクロアナライザ)を用いた分析

EPMA(Electron Probe Micro Analysis )は、金属・セラミックス・電子材料など様々な固体材料の評価・研究、品質管理に活用されている代表的な分析技術です。物理解析装置では、唯一、定量補正法が確立されており、湿式分析では対応できない微小領域や溶接部での定量に特に威力を発揮します。
電界放出型の電子銃を搭載したFE (Field Emission) -EPMAにより、従来のEPMAでは不可能であった微小部100nm の元素分析が可能となりました。

測定・分析方法

概要

FE-EPMAは、100nm程度の微小領域における元素分析が可能です。
また、EDXではピークが重なり分析が難しい 元素(FeとF、CrとO、SiとTaとW、MoとSなど)も分離して分析できます。
薄膜の膜厚分布の定量的評価もできます。

  • FE-EPMAの特長

    • 微小領域の元素定性分析
      空間分解能:150nm(従来機は370nm)
    • 高精細な元素マッピング分析
      最高倍率:20,000倍(従来機は5,000倍)
    • 高感度分析
      分析感度:数100ppm(SEM-EDXは0.5%)
      C定量分析精度:0.1%(SEM-EDXは不可)
    • B~Uまでほぼあらゆる組合わせに適用可能(SEM-EDXでは分離できない)
      CrとO, FeとF, MoとS, AgとPdなどの分析も可能
    • 豊富な解析ソフト
      相分布、粒度分布、膜厚評価、薄膜の定量など
    • 大型試料にも対応
      最大100mm×100mm×75mm高さ
  • FE-EPMA(JEOL社 JXA 8500F)
    FE-EPMA(JEOL社 JXA 8500F)

FE-EPMAが適用できる分析例

分野 事例
電池 リチウムイオン二次電池電極材料の分析(正極活物質の断面における元素マッピング)
電気・電子 Pbフリー半田の元素マッピング
発光ダイオードの断面観察
半田接合部の界面分析(界面拡散~合金化の観察)
コンデンサーの断面元素マッピング
ディスプレイ、蛍光塗料の希土類元素等マッピング
電極表面処理層の断面元素マッピング
金属・鉄鋼 析出物、介在物のマッピングおよび粒子解析
フェライト系ステンレス鋼の粒界評価
各種めっき層の断面マッピング分析
脱炭層、浸炭層の評価
金属上の機能性薄膜の膜厚評価
ステンレス、低合金鋼の酸化膜やさび層の元素マッピング
高性能磁性材 FE-EPMAとEBSDとを組み合わせた元素分布解析
その他 セラミックス系、合金系焼結材料の元素マッピング(助剤との界面反応評価)
セラミックコーティング膜(CrN)の組成・膜厚分布分析
Pt、Ag-Pd等触媒金属の形態、分布評価

分析事例1:Pbフリー快削鋼中に分散した微細析出物の分布

FE-EPMAと従来機(W型-EPMA)で同一位置を同一条件で元素マッピングした例です。FE-EPMAでは、分析時の高電流100nAでも、電子ビームが十分細く絞れるため、1μm未満の微細析出物も、その形やサイズが鮮明に識別できます。粒子計測ソフトや相分析ソフトを用いて、ヒストグラムや粒度分布など、お客様のニーズに合わせたデータ解析もご提案できます。

Pbフリー快削鋼のMn, S面分布 ~FE-EPMAと従来EPMAの比較~(加速電圧10kV, 電流値100nA)
Pbフリー快削鋼のMn, S面分布 ~FE-EPMAと従来EPMAの比較~(加速電圧10kV, 電流値100nA)

分析事例2:鋭敏化したステンレス鋼におけるCr欠乏層の濃度分布

フェライト系ステンレスにおいて、結晶粒界に析出したCr炭化物近傍で、Cr欠乏層が生成されている様子を観察することができました。サブミクロン領域における数%の濃度差を捉えています。

鋭敏化したフェライト系ステンレス鋼表面のCr, Fe濃度面分布および粒界線分布
(加速電圧10kV, 電流値100nA)

分析事例3:携帯電話に搭載された発光ダイオードの断面観察例

FE-EPMAと(LaB6型-EPMAで同一条件でSEM観察と線分析した例です。FE-EPMAでは、界面が明瞭で数10nmの微細多積層構造も確認できます。空間分解能をGaPとAlPIn界面で評価すると、従来機の2.5倍に向上しました。

発光ダイオード断面のSEM写真およびGa線分布と界面の分解能
~FE-EPMAと従来EPMAの比較~(加速電圧5kV)

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