No.16「高速変形試験(4)」

No.16
高速変形試験(4)~引張り用ホプキンソンバー試験機と当社における高速引張り試験の概要~

シリーズの最終回ではホプキンソンバー試験機についてさらに説明すると同時に当社における高速引張り試験の概要を紹介します。

ホプキンソンバー試験機の種類

引張り用ホプキンソン試験機には大別して図1に示す3つの方式があります。第1は前報で紹介しました2本の応力棒を直線上に並べた共軸ホプキンソンバー試験機です。2本の応力棒の間に試験片を装着し、片側応力棒の反対側端部に引張方向の衝撃を負荷しますが、この衝撃を受けるためのヨーク(衝撃受け)が必要となるなど若干複雑な構造となります。第2は2本の応力棒を互い違いに配置する方式で、衝撃負荷は入力棒端部をたたくだけのシンプルな構造で、非共軸ホプキンソンバー試験機と呼びます。第3はワンバー法と呼ばれる試験機で入力棒の代わりにブロックを設け、そのブロックに衝撃を加え試験片を引張り、ブロックの変位と出力棒の応力を測定します。この試験機は通常の静的試験機でロードセルを非常に長くし、高速化したものとイメージできます。

図1 ホプキンソンバー試験機の種類
図1 ホプキンソンバー試験機の種類

当社の高速引張試験実施状況

当社では、図2に示すように歪速度が10-3/sから103/sの非常に広範囲の引張試験を実施しています。歪速度が100~300/s以下の領域では油圧サーボ試験機、検力ブロック式試験機を用い、それ以上の高速領域では上で述べた3種のホプキンソンバー試験機を使用します。特に共軸ホプキンソンバー試験機については長さ4mの応力棒からなる試験機を自社開発しており、歪速度300~1000/sの試験が可能となっています。また油圧サーボ試験機と非共軸・共軸ホプキンソンバー試験機では特殊な冶具を併用することによって液体窒素温度から400℃までの温度範囲の高速引張り試験も可能です(図2参照)。このように、当社は各種の材料が様々な試験条件下で高速変形するときの応力-歪データの採取を実現しています。

図2 軟鋼板の引張り強さにおよぼす歪速度、試験温度の影響
図2 軟鋼板の引張り強さにおよぼす歪速度、試験温度の影響

このページに関するお問い合わせはこちらから

  • お問い合わせ
  • ご依頼の流れはこちら

JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部