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No.31「高性能赤外線カメラ測定技術(4)」

JFE-TEC News No.31号 電池材料の物理解析技術(1) 他 記事一覧

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No.31(2012年04月)
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No.31 電池材料の物理解析技術(1) 他

高性能赤外線カメラ測定技術(4)~二次電池の温度分布解析~

はじめに

リチウムイオン電池などの二次電池において、発熱・放熱特性は放電の持続時間などに直接影響するため、非常に重要です。熱設計にはCAEによる数値解析が用いられますが、挙動把握・検証には温度の実測が必要となります。放射温度計や熱電対では詳細な温度分布を確認することができないため、赤外線カメラが用いられます。当社では、高精度赤外線カメラを使って、二次電池の熱特性について詳細な解析を行っています。

特徴

汎用赤外線カメラの温度分解能(NETD)が0.1℃程度であるのに対して、当社が保有する高精度赤外線カメラは、温度分解能が0.02℃と高精度です。さらにロックイン法を用いることにより、温度分解能は0.001℃まで向上します。ロックイン法とは、充放電を周期的に行いながら赤外線カメラで計測し、その周期に相関のある温度変化(温度差)を取り出し、ノイズを除去して鮮明な温度差画像を得る方法です。

測定例

図1は当社の電池材料解析評価センターで試作したリチウムイオン電池の充放電試験における温度変化を、本赤外線カメラで計測し解析したものです。(a)の通常の温度画像では、熱伝導により温度分布は不鮮明となり、発熱箇所 は中心の1箇所だけです。一方、ロックイン法による温度差画像では、(b)の①、②に示すように2箇所の発熱箇所が確認できます。この温度分布は電池内部の発熱状態を反映しており、充放電サイクルにおける温度分布変動を捕らえることも可能です。

図1 リチウムイオン電池の温度解析例
図1 リチウムイオン電池の温度解析例

まとめ

高精度赤外線カメラを使った温度測定は、二次電池に限らず、様々な部品、製品における温度分布解析に応用できます。当社では、この技術の適用範囲拡大に取り組んでいます。

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