No.25「高速変形試験(2)」

No.25
高速変形試験(2)~樹脂材料の高速引張試験~

前号に引き続き、高速での変形現象を評価する特殊技術の適用例についてご紹介します。今回は樹脂材料の高速引張試験について述べます。

樹脂材料の高速引張試験の必要性

近年、軽量化を目的として車輛、航空機などの構造部材に、また携帯電話、PCなどの情報端末のケーシング部材に、樹脂材料の適用が進められています。これら樹脂材料の適用には、あらかじめ幅広い変形速度域で強度特性を十分に把握した上で、それぞれの製品設計をすることが必要不可欠になっています。

樹脂材料における高速引張試験の問題点

一般的に樹脂材料は金属材料と比較して低強度で、弾性率は低く、さらに見かけの弾性率が変形速度とともに変化する場合があります。これは、ホプキンソンバー試験機などの高速引張試験装置での試験をより困難にする要因となります。たとえば試験片の平行部以外のR部、つかみ部などで変形が発生したり、剛性補正が不正確になることによって真のひずみの算出が不可能になったりします。

樹脂材料における高速引張試験の新技術

当社はホプキンソンバーでの高速引張試験において、評価する樹脂材料の特性に応じて、
(1)試験片の寸法(特にR 部)を最適化し、必要に応じてつかみ部を金属などで補強する
(2)最適なひずみゲージを選択し、試験片平行部での弾性率の変化を直接計測する
等により、正確な応力-ひずみ線図(S-Sカーブ)を求める技術を開発しました。図には、板厚5mmの3種類の樹脂材料のひずみ速度1000/sにおけるS-Sカーブの例を示します。それぞれの樹脂材料の特徴を表すS-Sカーブが得られています。この技術を適用することにより、厚みが数十ミクロンのフィルムから5mmの板材まで広範囲の樹脂材料を対象として、高速引張試験による正確なS-Sカーブを得ることが可能になりました。

図 樹脂材料の高ひずみ速度における応力‐ ひずみ線図
図 樹脂材料の高ひずみ速度における応力‐ ひずみ線図

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JFEテクノリサーチ株式会社 営業本部

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