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No.84「水素環境材料試験技術」
JFE-TEC News No.84号 カーボンニュートラル(CN)特集号 記事一覧
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No.84 カーボンニュートラル(CN)特集号
水素環境材料試験技術〜引張、疲労、破壊じん性特性を高圧水素、陰極水素チャージで評価〜
Evaluation of Tensile, Fatigue, and Fracture Toughness Properties under High-Pressure Hydrogen and Cathode Hydrogen Charging
なぜいまこれが?
カーボンニュートラルの実現に向けて、水素を主要なエネルギー源とする水素社会の到来が目前に迫っています。そのため、水素を運ぶための水素ラインパイプや、水素を貯蔵するための水素貯蔵タンク等の社会インフラの整備が今まさに進められようとしています。そして、高圧水素環境でも適用可能な材料の選定や開発も益々盛んになってきています。
これがポイント!
高圧水素環境下での材料特性を調査することは、材料の選定や開発を進める上で非常に重要です。表1に水素環境試験のラインアップを示します。当社では引張、疲労、き裂進展、破壊じん性、暴露の各種試験を実施しています。試験環境は高圧水素環境下での試験に加え、試験片の中心に穴をあけて高圧水素を封入した試験片を用いる中空試験法や、水溶液中で試験片を分極し試験片に水素を侵入させながら試験をおこなう陰極水素チャージ法による試験を実施しています(図1)。
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表1 水素環境材料試験のラインアップ
試験 試験ニーズ 高圧
水素中空 陰極
チャージ引張 SSRT* 基礎特性 ○ ○ ○ 疲労 高サイクル 基礎特性 ○ ○ ○ 低サイクル 国内ラインパイプ - ○ ○ き裂進展 基礎特性 ○ - ○ 破壊
じん性JIC 海外ラインパイプ ○ - ○ SENT** パイプ円周溶接 - - ○ ライジング
ロード圧力容器 ○ - ○ 暴露 基礎特性 ○ - ○ * SSRT:低歪速度引張試験技術 **SENT:片側切欠引張(試験)
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図1 試験法の概略図
ここで、高圧水素環境下での各種試験は、大がかりな装置を必要とするものの高圧水素の影響を直接評価するという点において重要な試験となります。また、中空試験法は、高圧水素の影響を 簡易的ではありますが直接評価できるという点において有効な方法です。一方、陰極チャージ試験法は、簡易に侵入水素量を調整できること、様々な試験に対応できることから水素の影響を広く評価するのに適しています。
このように材料の水素影響を評価するには種々の方法があり、目的に応じた方法を適切に選ぶ必要があります。また、各種試験で材料に侵入する水素量は機器を用いて定量分析することもでき ます。水素の影響評価にご関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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