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No.82「次世代電池研究開発のための試作・評価・解析技術特集(4)」
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No.82 次世代電池特集号
次世代電池研究開発のための試作・評価・解析技術特集(4)~大気非暴露環境下における全固体電池合材と集電箔界面の密着強度評価試験~
Adhesion Strength Test of the Interface Between All-Solid-State Battery Composite and Current Collecting Foil in a Low Dew Point Glove Box
なぜいまこれが?
脱炭素社会の実現を目指し、電気自動車用全固体リチウムイオン電池(以下、LIB)の高性能化に向けての研究開発が進められています。
全固体LIBの正極および負極は、固体電解質に活物質などが混合された合材で形成され、集電箔が積層された構造を有します(図1)。実用時の充放電に伴う膨張・収縮により、各層間が剥離する可能性があるため、特に合材電極と集電箔の界面を対象とした密着強度評価が必要となります。

これがポイント!
当社では、合材電極と集電箔をそれぞれ適切な被着体に接着することで、全固体LIBの合材電極と集電箔との界面の密着強度評価を可能としました。
電池材料は、空気中の水分と反応して加水分解を起こし、人体に有害な硫化水素を発生する可能性があるため、低露点下(-60℃程度)での取り扱いが求められます。電池材料の機械物性を評価するため、グローブボックス内不活性ガス雰囲気下での強度試験を可能としました。
全固体LIBの各層は相互に密着しており、供試材そのままでは把持部が存在しないため、密着強度試験が成立しません。合材電極は、接着剤の種類によっては密着性が不十分である事があります。把持方法を確立することで、合材層と集電金属箔間の密着強度試験を成立させました(図1)集電箔と合材電極の界面剥離試験を実施した際の荷重-変位線図を図2に例示します。この試験では界面剥離過程の荷重推移を得ることができ、これが密着強度となります。各層の接着力より合材電極の凝集力が弱い場合には、合材電極の凝集力を評価することにも活用可能です。全固体LIBのみならず、液系LIB封止部分の密着性評価などにも応用可能です。電池材料の強度評価には、是非当社サービスをご活用下さい。

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