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No.82「電池内部構造の可視化と詳細解析」

No.82 次世代電池特集号

電池内部構造の可視化と詳細解析~次世代負極用バインダーの染色技術および全固体セル正極の空隙構造解析~
Visualization and Image Analysis of Battery Electrode Structure

なぜいまこれが?

近年、機械学習による画像解析の高度化により、画像特徴量の解析が容易になってきています。当社の電池開発分野における新規可視化開発例および定量的な画像解析評価例について、最近の取り組みを紹介いたします。

これがポイント!

次世代高容量負極であるSi系混合負極の採用にともない、電極の体積変化に対応するため、ポリアクリル酸系バインダーの使用が進んでいます。しかしながら、バインダーのマイグレーションに対して、SEMによる分布の可視化が難しかったことから、当社では、新規の電子染色手法を開発しました(特願2024-70303)。電子染色後の電極表面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察すると、重原子効果により、反射電子像で黒鉛上のバインダーの付着状態を明瞭に確認することが出来るようになりました(図1)。

一方、全固体電池では、JFE-TECNews No.76で示した正極合材層のSEM像に対して、画像解析を実施した結果の詳細を示します(図2)。表1のように、正極活物質、固体電解質(SE)、助剤の面積率が、試作時の混合比率(仕込み重量率)と非常に良く一致しており、各部材の特徴を確実に捉えるSEM画像の撮影法と機械学習による良好な物質判別が実現できています。

次に、接触率解析による空隙分布の特徴抽出を行った結果を示します(図3)。活物質界面を基準とした場合(1)、接触面積率は残り3成分とほぼ均等に接触していることが分かりました(補正前)。正極活物質中空部の活物質/空隙界面を除外しても(補正後)、未接触の空隙界面 が多いことが分かります。一方、空隙界面を基準とした評価では(2)、助剤界面に空隙が集中しており、SE界面は少ない傾向でした。画像解析は、目的に沿った特性に適した解析プロセスを構築することが重要です。お気軽にご相談下さい。

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