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No.83「リチウムイオン二次電池内の腐食評価」
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リチウムイオン二次電池内の腐食評価
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No.83 EV 特集号
リチウムイオン二次電池内の腐食評価
Corrosion Evaluation for Metallic Materials in Lithium-Ion Batteries (LIB)
なぜいまこれが?
昨今、リチウムイオン電池の普及が進む中で、性能の向上だけでなくコスト低減や安全性の確保も重要となっています。電池内外の電気の通り道である「集電体」や、製造時に意図せずに混入した「金属異物」が電池の使用中に腐食すると、電池の性能低下や、最悪の場合は発火事故に繋がる可能性もあります。そのため、リチウムイオン電池内部の金属の腐食を評価することは、電池の安全性を確保するためにも重要です。
これがポイント!
図1は、現在主流であるLiPF6を含む電解液中でのアルミニウムの電気化学試験結果の一例です。3~5Vでは低い電流密度が維持されており、正極側の約4Vの領域で腐食は生じないことが分かります。高い耐食性は、アルミニウム表面に耐食性の高いAlF3皮膜が形成されるためです。一方、低電位側ではリチウムとの合金化に由来した反応が観察されます。一方、金属の耐食性は、材料、電解液や電位条件などにより大きく異なることがあります。例えば、写真1に示したステンレス鋼の一種であるSUS430は、電気化学試験により著しい腐食が生じました。当社では、電気化学試験、物理解析、電池の試作などを組み合わせた腐食評価をご提案いたします。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問合せ下さい。
図1 アルミニウムの電気化学試験結果
(電気化学試験とXPSによる表面分析)
写真1 LIB電解液中で電気化学試験した後の
SUS430ステンレス鋼(黒く腐食した部分が試験面)
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