No.83「ナトリウムイオン二次電池試作・評価」

なぜいまこれが？

近年、リチウム資源の供給不安や価格高騰を背景に、ナトリウムイオン二次電池（以下、SIB）が次世代電池として注目を集めています。SIBは、資源制約が少なく、安定した供給が見込まれることから、実用化・量産化に向けた開発が加速しています。

SIBは低温環境下でも高性能を発揮し、出力特性にも優れる一方で、エネルギー密度の低さ、水分との高い反応性、副反応による性能劣化など、リチウムイオン二次電池（以下、LIB）とは異なる技術的課題を抱えています。これらの課題を克服するためには、材料選定から試作環境、評価・分析技術に至るまで、高度かつ専門的な技術の連携が不可欠です。

これがポイント！

当社では、露点－30℃～－40℃のドライルームおよび露点－80℃以下のUNICO製グローブボックス（写真1）を活用し、ナトリウム系材料を用いた電極・フルセル・ハーフセルの試作を一貫して行える体制を整えています。グローブボックス内で作製した正極の外観（写真2）や充放電特性（図1）を示します。水分の影響を抑えた、安定かつ高精度な試作が可能です。

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また、電池材料の物性評価からセル性能の解析に加え、これまでLIBの試作・評価・分析で培ってきた技術をSIBに応用することで、SIBに特化した独自の材料設計・試作体系を構築しています。これにより、SIB特有の副反応にも配慮した性能評価が可能で、物理・化学・構造解析を駆使した劣化要因の特定や、材料設計へのフィードバックも実現しています。

お客様のSIB開発における課題に対して、迅速かつ柔軟な技術支援を提供いたします。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。