JFE-TEC News
No.83「リチウムイオン二次電池の安全性試験」
JFE-TEC News No.83号 EV 特集号 記事一覧
リチウムイオン二次電池の安全性試験
全文 PDF (2.7 MB)
No.83 EV 特集号
リチウムイオン二次電池の安全性試験〜硫化物系全固体電池をはじめとしたリチウムイオン二次電池の釘刺し、加熱及び過充電試験〜
Safety Evaluation of Lithium-Ion Batteries
当社知多Divisionでは、高濃度の硫化水素ガスを処理できる設備を保有する試験センターに設置された小型圧力容器(内径36cm、高さ23cm)を用いて、電池の安全性試験を実施することができます。
なぜいまこれが?
リチウムイオン二次電池(以下、LIB)は、実用化が進み自動車やモバイルバッテリーなど数多くの製品に使用されています。その一方で、LIBを搭載した製品が発火・火災する事故が増加しています。そのため、より信頼性・安全性の高いLIBが求められています。近年、注目されている硫化物系固体電解質を用いた全固体LIBでは、主成分である硫黄系化合物が微量の水分と反応し、有害な硫化水素ガスを発生する危険性がありますが、当社設備を使用することで、安全に試験を実施できます。
これがポイント!
安全性試験の項目として、釘刺し試験(内部短絡模擬)、加熱試験および過充電試験があります。試験は、密閉環境で実施できるため、容器内圧力や試験中の発生ガスの分析のほか、複数のポートを利用して、電池表面温度測定、容器内圧力、動画撮影及びプレートヒーター等による電池の部分加熱(ヒーター最高温度1000℃)も対応できます(図1)。
また、安全性試験装置の低回路抵抗化および高い時間分解能(サンプリング周期:10µs)による精密計測により、熱暴走に至るまでの瞬間的な電圧・電流の変化を捉えることが可能です(図2)。測定方法によっては、釘刺し試験時の短絡電流を高時間分解能にて取得することができるため、瞬間的に急増する短絡電流も計測でき、安全性を定量的に比較評価できる可能性があります。
当社は、各種電池の試作から性能評価、分析評価を含め、お客様の多様なニーズにお応えいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
関連リンク・関連記事
このページに関する
お問い合わせはこちらから
- JFEテクノリサーチ株式会社 営業総括部
- 0120-643-777